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海外発のフェムテック企業、注目の4社をピックアップ 最新事例を紹介

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 政府機関や医療業界と連携しながら、活況を迎える海外のフェムテック市場。女性の健康課題解決の領域で、着実に企業成長につなげる姿勢を見せる海外発のプレーヤーたちを紹介する。(この記事はWWDジャパン2022年10月24日号からの抜粋です)

同市場で初の米国発ユニコーン企業
企業向けサービスの充実がヒット
1 メイブン・クリニック(Maven Clinic)

 米国を拠点に、世界中の女性やその家族の健康のためのオンラインサービスを提供するメイブン・クリニックは2021年、女性や家庭の健康課題解決の領域で初めて10億ドル以上(約1400億円)の評価額を記録した初めての企業、通称“ユニコーン企業”となった。同年8月には、1億1000万ドル(約162億円)のシリーズD資金調達を発表している。「全ての従業員やその家族にケアを届ける」という信念を軸に、着実にビジネスを育てた功績を持つ。

 メイブン・クリニックがユニークなのは、福利厚生制度の策定から、家庭を持ちながら働く人に特化したサポート内容まで、企業向けサービスが充実していること。雇用者や健康会社とパートナーシップを結んでいるため、優先事項、予算、目標に合わせた福利厚生の構成が可能だ。具体的には、家庭を持つ労働者のために、健康管理や医療の提供、仕事復帰のサポートなどを行う。医療従事者と連携した“オンデマンドケア”やオンライン診察サービス、動画やオンラインクラスの配信を通した教育コンテンツ、医療費の処理などの経理ツールなどを提供する。基本がデジタルなので、利用者にとって医療費の削減につながる利点もある。

 ケイト・ライダー(Kate Ryder)創業者兼CEOの創業のきっかけは、「親になるにあたって多くの苦労があり、医療体制のサポート不足を感じることが何度もあった。労働者に対する支援の量や質に格差も感じられた」こと。22年現在、日本を含む175カ国以上で会員サービスを提供し、約1500万人の生活を支えている。これは前年比200%の増加に相当する。最初は苦労もしたというが、「サービスの利用者に良い影響を与えていることが伝わり始めると、テクノロジーを通して医療へのアクセスを増やすというアイデアに賛同する人が増え始めた。この数年間は私達にとっても変革の年だった」。日本でもインディード(Indeed)といった企業を中心に、会員数は増加中。今後も「誰もが支援を受けられる体制の確保」のための基盤づくりをテックの力で実装していく。

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