ファッション

「エコバッグもビンテージになったらカッコいい」 アーバンリサーチ出身者が繰り返し使いたい「ルーパック」普及

 アーバンリサーチで店長やPR、バイヤー、イベント企画、CSR担当などの経験を積んだ喜多泰之は、社会福祉士の同僚と「繰り返し使いたくなるバリューを生む」エコバッグと仕組みの「ルーパック(LOOPACH)」を立ち上げた。「流行らせることはできないか?」や「大量に売れないか?」という“ナンセンスな物質主義”からエコバッグを救う選択肢を増やすべく、自社はもちろん、他社のエコバッグにNFC内蔵のネームタグを取り付けることを提案。専用アプリや加盟店に配布するリーダー端末を開発し、ユーザーがレジ袋やショッピングバッグを断るたびに「フラワー」と称するポイントが貯まるシステムを構築した。フラワーを公益・共益に寄付できる循環の構築を目指す。

WWDJAPAN(以下、WWD):立ち上げたMILKBOTTLE SHAKERSは、社会福祉事業やSDGsに関連するコンサルティングなども手がけている。サステナブルやSDGsに興味を持った経緯は?

喜多泰之MILKBOTTLE SHAKERS代表(以下、喜多):近畿大学の在学中にアーバンリサーチ ドアーズ(以下、ドアーズ) 茶屋町店でアルバイトを始めました。そのままアーバンリサーチに入社し、「ドアーズ」というライフスタイル業態で働くうちにフェスなどに出かけたり、「パタゴニア(PATAGONIA)」や「スノーピーク(SNOW PEAK)」とも仕事をしたりするようになりました。社会課題を“自分ごと化”するようになったのは、20代の半ばくらい。その後、社会福祉士の川本健太郎(取締役)とともに、課題に思うことを事業にしています。

WWD:ファッション業界で働いていた頃から、サステナブルなアクションに取り組んでいた?

喜多:「パタゴニア」などに影響も受けたし、お客さまと湘南でゴミを拾ったこともあります。ファッション業界でも社会課題に貢献できると思ったし、「お客さまの外見をカッコよくする」だけがファッションじゃないことも体験しました。

WWD:そんな経験が「繰り返し使いたくなるバリューを生む」エコバッグと仕組みの「ルーパック」につながった?

喜多:レジ袋の有料化が施行される前、アパレル企業から「エコバッグが大量に売れる施策はないか?」や「SDGsの文脈で良い打ち出しはないか?」という相談を受けるようになったんです。物質主義に縛られたまま目先のビジネスとして簡単な方法を選ぶと、エコバッグでも「中国で数万~十万個単位で生産すれば、1つ300円で販売できる」や「ミニマムはいくつ」という話になってしまう。結局安いから大量に作らないと利益が出ず、国内の生産は増えず、結局みんな疲弊する。「もっと自然に、新しいスタイルで解決できないか?」と考えたんです。

WWD:「『ルーパック』があるから」とショッピングバッグやレジ袋を断ると「フラワー」が溜まり、集めた「フラワー」は公益・共益に寄付できる。「ポイント」を集めて商品やサービスを手に入れる形にしなかったのは、なぜ?

喜多:将来消費できる「ポイント」を提供するのは、「環境負荷のポイントをズラしているだけ」と思ったんです。集めた「ポイント」でも、結局は消費。それでは「新しいスタイル」が広がりません。

WWD:同時にアプリに登録したバッグを使い続けると、「スタンダード」から「シルバー」、そして「ゴールド」へとエコバッグがランクアップして、1回のアクションで獲得できる「フラワー」が増える。

喜多:長く使い続けると“プレミア感”が生まれる仕組みです。合計300回使って「ゴールド」にランクアップしたエコバッグを「カッコいい」と思ってほしい。「ルーパック」のシステムが普及したら、デニムのように「ビンテージのエコバッグがカッコいい」という価値観さえ広がるかもしれません。と同時に「何百回、何千回、何万回と使い続けてもらえるエコバッグを作ろう」と日本のモノづくりを刺激できたら面白いですね。

WWD:現在のユーザー、導入店舗は?

喜多:昨年8月に本格始動し、ユーザーはまもなく300になります。加盟店は70くらい。

WWD:インパクトが生まれるには、まだまだ数が足りない。

喜多:現在、コンビニエンスストアやスーパーとの話し合いも進んでいます。導入の初期費用は、1店舗当たりの年会費が2500円、リーダー端末の導入費が同じく1万1000円など。ランニングコストは、「ゴールド」のエコバッグで1アクションあたり4円ですから、レジ袋やショッピングバッグを作るより安いはずです。2025年の大阪万博までに1万くらいの店舗で使えるようになったら、来日した外国人に「日本で流行っている『ルーパック』ってなんだろう?」と思ってもらえるかな?なんて想像しています。

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