「コロナ禍で外出の機会が減り、気分が塞ぎがちだった」という、帝王切開カウンセラーとして働く、54歳の細田恭子さん。知人から今回の企画を聞き、「この機に変わりたい」と思って参加したという。プロデュースするのは、“主役世代”(50~60歳代)を集客して成長を続ける、東京・巣鴨にあるヘアサロン「えがお美容室」だ。
「えがお美容室」は、ネイルサロン「えがお爪工房」とアパレルショップ「えがお洋品店」を併設し、同じ巣鴨で写真館も運営していることが特徴で、それぞれのメニューを1つのパッケージ(カットやカラーのない体験メニュー税込9800円〜。服の購入は別料金)にして提案している。各メニューには専門スタッフがおり、それぞれがカウンセリングを行いながら施術を進めていく。
ヘアのカウンセリングでは、まず悩みを聞くことからスタート。テルイタカヒロ・スタイリストは、「おでこのシワが気になる」「髪がパサついて見える」などの悩みのほか、「もう何年も黒染めのリタッチしかしていない」といった現状をヒヤリングした。そこで前髪を作り、特にスタイリングしなくてもストンと眉上に落ちるようにヘアカット。既染部にオレンジみが出てくるとパサついて見えるため、オレンジみを取り、白髪を生かす形でハイライトカラーを施した。「ハイライトカラーなんて若い人のもので、私にはちょっと……と思っていたけれど、白髪をデザインとして見せられることを知りました。カラーリングと同時にネイルもやってもらえて、『何て贅沢な時間なの!』と感動しました」と細田さん。
次にメイクを担当したのは、船津有史ヘアメイクアップアーティスト。「年齢とともに瞼が下がってきたことを気にされていたので、つけまつ毛と、瞼を内側から持ち上げるアイテープを使いました。それらは若い人が使う物と思っている方が多いけれど、実は50~60代の方にぴったりで、つけてあげると『どこで買えるの?』と聞かれるケースも多い。また最近はマスク荒れで口元のたるみを気にしている方が多く、スキンケアで引き上げてあげると喜んでもらえます」と話す。
服のフィッティングでは、土岐まりスタイリストが「細田さんに似合い、かつこれまであまり着てこなかった系統の服」をチョイス。「肌のトーンを見たり、“コロナ禍で塞ぎがちだった”ことを考慮したりして、ビタミンカラーのオレンジを着てほしいと思いました。また『学校に着て行くようなフォーマルの服が多く、それ以外だと犬の散歩の時にはくジーパンなど、両極端な服しか持っていない』ということだったので、“おしゃれカジュアル”を提案しました」と話す。
フィッティングした細田さんは、恥ずかしがりながらも、「新しい自分」に出会えたことに喜びを感じ、「わぁ、こんな色着たことないけど、すてき!」と笑顔に。最後の写真撮影では、「もうここまできたら楽しむしかないわね!」とふっ切れた様子で、フォトグラファーの要求に応じていろいろなポーズをとってくれた。「私には2人の娘がいるけれど、母親は普段は“してあげる”ことばかり。でも今日はスタイリストさんやネイリストさんなどに囲まれて“してもらう”ことばかりで、とても贅沢な時間を過ごし、新しい体験で気分を一新することができました」と感想を語った。