ビューティ

花王の2021年12月期は増収減益 化粧品事業は24年までに13ブランド廃止予定

 花王の2021年12月期連結決算(国際会計基準)は、化粧品事業などが堅調に推移し売上高が前期比2.7%増(実質0.3%増)の1兆4187億円、営業利益が同18.3%減の1435億円、純利益が同13.1%減の1096億円だった。

 事業別ではコンシューマープロダクツ事業(化粧品事業、ヘルス&ビューティケア事業、ライフケア事業、ハイジーン&リビングケア事業を総称)の売上高は、同0.7%減(実質2.6%減)の1兆1437億円、営業利益は同23.5%減の1126億円だった。コアブランドへの集中投資やデジタル化の推進、ECの強化などを図るが、世界的な原材料価格の高騰や物流の混乱も発生し、経営環境は厳しい状況が続いた。国内の売上高は同5.3%減の7681億円と苦戦したが、海外は復調傾向に。アジアの売上高は同7.2%増(実質0.3%増)の2147億円、米州の売上高は同15.1%増(実質10.8%増)の962億円、欧州の売上高は同14.5%増(実質5.9%増)の646億円だった。

 化粧品事業は、インバウンド需要の消滅や繰り返す緊急事態宣言などにより市場回復が遅れた影響を大きく受けたものの、オンラインカウンセリングや自社運営のEC始動などデジタル施策に注力し、売上高は同2.5%増(実質0.6%減)の2393億円、営業利益は同212%増の75億円だった。その中でメイクブランドの「ケイト(KATE)」が存在感を発揮。AI技術を搭載したLINE公式アカウント内サービス「メイクアップ ラボ(MAKEUP LAB.)」などの施策や、マスク着用の常態化に着目した“リップモンスター”がヒットし、メイク市場でトップシェアを獲得した。さらに注力したG11(11のグローバル戦略ブランド)は、売上高が同8%増、構成比が65%と伸長した。海外の売り上げ構成比率は41%で、中国では「フリープラス(FREEPLUS)」や「キュレル(CUREL)」がECを中心に好調に推移。欧州ではOMOの推進により「モルトンブラウン(MOLTON BROWN)」や「センサイ(SENSAI)」が大きく伸長した。

 へルス&ビューティケア事業(スキンケア、ヘアケア・パーソナルヘルス製品を展開)は、国内の特需の反動減や天候不順による減収などが影響し、売上高は同2.2%減(実質4.2%減)の3545億円、営業利益は同17.8%減の497億円だった。スキンケア製品では、日本では前期に急速に拡大したハンドソープや手指消毒液の市場が大きく縮小し売り上げが減少したが、コロナ禍前の2019年度に比べてシェアは大きく伸長した。UVケア製品などのシーズン品は、日本及びアジアで外出自粛や天候不順の影響を大きく受けた。ヘアケア製品は、「エッセンシャル(ESSENTIAL)」の“エッセンシャル ザ ビューティ”の価値提案が不十分でインバスが苦戦したが、ヘアサロン向け製品の売り上げは大きく伸長した。米州ではECで「オリベ(ORIBE)」が好調に推移し、欧州では市場が徐々に回復している。

 ハイジーン&リビングケア事業(ファブリックケア・ホームケア・サニタリー製品を展開)の売上高は同1.3%減(実質2.8%減)の4968億円、営業利益は同34.9%減の518億円だった。衣料用洗剤「アタック」や浴室用洗剤の新製品“バスマジックリン エアジェット”がシェアを大きく獲得した。ライフケア事業(業務用衛生製品・健康飲料品を展開)の売上高は同1.7%増(実質1.0%増)の530億円、営業利益は同23.4%減の36億円だった。特定保健用食品「ヘルシア」が巣ごもり需要を背景にECで売り上げを伸ばしたが、緊急事態宣言の延長などが影響し市場が縮小、売り上げは前期に比べて減少した。

 22年12月期は、中期計画「K25」の2年目となる。原材料価格の高騰については、高付加価値製品へのシフトや一部の商品の値上げ、また販促費の効率化に加えて、TCR活動(Total Cost Reduction)をより強化することで影響の最小化に努める。また、既存カテゴリーを革新していく事業「Reborn Kao」で、高収益コア事業への抜本的なポートフォリオ改革に着手。ブランドマネジメントのやり方を刷新し、メリハリを利かせた競争優位となる戦略的投資を行う。同時に、ブランドの廃止や統廃合も進め、デジタルトランスフォーメーション(DX)を強化する。また、デジタル・ライフ・プラットフォーム事業の領域でパートナーとともに協業を開始する予定。

 連結業績予想は、売上高が同5.0%増(実質5.4%増)の1兆4900億円、営業利益が同11.5%増の1600億円、純利益が同6.7%増の1170億円を見込む。化粧品事業は同11.9%増(実質)の2660億円、ヘルス&ビューティケア事業は同5.3%増(実質)の3720億円を予想する。

 なお、化粧品事業では化粧品ブランドの整理を進める。廃止予定の28ブランドの内15ブランドはすでに廃止済みで、残る13ブランドは24年までに廃止する予定だ。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2022年版繊維商社特集 有力企業8社の「今とこれから」を写真と記事で読み解く

「WWDJAPAN」7月4日号は、10年以上に渡って続くロングラン企画の「2022年版 繊維商社特集」です。海外出張と重たいキャリーバック、トラブルシューティングなど体力と精神力が必要で、かつては男性が多かった商社ですが、今では女性も増えています。また、SDGsやサステナビリティなどの社会貢献や働く意義がより問われる中で、会社側の考え方や評価のKPIも徐々に変わりつつあります。

詳細/購入はこちら