ファッション

「7時間15分で会社を辞めた話」が話題 販売員は店頭で着る服を自腹で購入しなければいけないのか

有料会員限定記事

 「7時間15分で会社を辞めた話」がSNSを中心に大きな注目を集めた。販売員として入社した後に、店頭に立つためには売り場の服を自腹で購入して着なければいけないと会社側に求められ、その要求を断ったところ退職勧奨を受けたイラストレーターのZENZO氏が、実体験を漫画にしたものだ。

 ファッション業界では“あるある”ともいえるこの慣習に疑問や不満を感じた人も多いようだ。投稿から約1カ月で7万件以上の“いいね”が付き、3万回以上リツイートされている。「はげましの声のほか、『今までたくさん買わされた、もっと早く知っていれば良かった!』という驚きの声がほとんどでした。やはり店側から強要されたら、職を失うことが怖くて従ってしまう人が多いんだなと感じました」とZENZO氏は反響について語る。

 複数のアパレル企業で勤務経験があるZENZO氏によると、店頭で着用する服をレンタルという形で支給するブランドもあるという。「力関係で強い店側が、弱いスタッフに対して自腹で商品を購入させ、それを着ないと売り場に立たせない。つまり働かせない、というのは立場の悪用ですし、労働力を提供する対価として賃金をもらっているので自腹購入はその観点からも辻褄が合いません。自腹購入がアパレルの当たり前だと思っている人にも、ぜひ疑問視するきっかけになってほしい」とZENZO氏は話す。

 では、法的にはどのような問題点があるのか。また、企業と労働者の双方が気を付けるべきポイントはどこにあるのかについて、ファッションローに詳しい中内康裕弁護士に話を聞いた。

この続きを読むには…
残り2430⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“個”が主役の百貨店特集2024【WWDJAPAN BEAUTY付録:2023年度世界のビューティ企業TOP100】

7月22日号の「WWDJAPAN」は百貨店特集。 個人の価値観が多様化し、コロナを経てオンライン消費がますます浸透しました。百貨店という業態の存在意義すら問われる中、それでも人が集まる店の条件とは何か。決め手は、品ぞろえでも立地でもなく、情熱と個性を持った“人”の存在。百貨店が元々持っていた強みに光を当てたり、その枠を超えて新分野を開拓したりと、編集力やアイデアを駆使して売り場を面白くしようとする…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。