ファッション

【動画】サウジアラビア出身の若者3人による東京発のストリートブランド「ウナストーキョー」 Youth in focus Vol.4

 ミレニアルズやZ世代と呼ばれる若者たちは今何を考え、ファッションやビューティと向き合い、どんな未来を描いているのだろうか。U30の若者たちにフォーカスした連載「ユース イン フォーカス(Youth in focus)」では、業界に新たな価値観を持ち込み、変化を起こそうと挑戦する若者たちを紹介する。連載の4回目は、サウジアラビア出身の若者3人が立ち上げたストリートブランド「ウナストーキョー(UNAS TOKYO、以下ウナス)」にフォーカスする。

 同ブランドは、ゆせふとばする、ヤズの3人が2018年に立ち上げた。東京を拠点にモデルやアーティストとして活動する彼らが、それぞれの視点で吸収した東京のストリートカルチャーを、ファッションを通じて表現している。ポップな色使いが特徴のTシャツやパンツなどをECサイトを中心に販売し、同世代のクリエイターを巻き込んだ表現のプラットフォーム作りを目指して活動する。今回は、一時帰国中のヤズを除いた2人にインタビュー。動画ではサウジアラビアで活動するヤズの様子も撮影した。

WWD:自己紹介をお願いします。

ゆせふ:サウジアラビア出身で、高校卒業後の2012年にこれまでと違った環境で生活してみたいと思い立ち、東京に来ました。「ウナス」ではデザインを担当し、普段はモデルとして活動しています。

ばする:同じくサウジアラビア出身です。普段は大学院でシステムデザインを勉強していて、「ウナス」ではビジネスを担当しています。

WWD:2人の出会いは?

ばする:高田馬場の日本語学校で出会いました。授業の後は毎日2人で渋谷・原宿で遊んでいましたね。僕はサウジアラビアの小さな町で生まれ育ち、伝統的な服を着て過ごしていました。故郷の風景とは全く違う渋谷のストリートカルチャーに触れ、すぐに夢中になったんです。当時は日本語が全然話せませんでしたが、渋谷でスケボーしている人たちに憧れて、その界隈で徐々に友達が増え、スケボーカルチャー発のファッションにもハマっていきました。

ゆせふ:僕もサウジアラビアにいるときは、ファッションにあまり興味がなかったのですが、東京に来て好きな格好をして友人と写真を撮り合うようになりました。ストリートスナップを撮られたり、ブランドのモデルやミュージックビデオ、ファッションショーにも誘われるようになったりして、ファッションの世界に入って行きました。

WWD:特に好きなブランドは?

ゆせふ:「ステューシー(STUSSY)」「カーハート(CARHARTT)」「ゴルフ ワン(GOLF WANG)」をよく着ています。

ばする:僕は「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」です。以前、渋谷でモデルをやらないかとスカウトされたことがきっかけで知りました。そこから山本耀司さんのインタビューを見て、耀司さんのストーリーや考え方も含めてカッコいいなと思っています。

WWD:「ウナス」立ち上げの背景は?

ゆせふ:僕たちから見える東京のストリートカルチャーの魅力を発信したかったのが始まりです。古着屋にもよく通っていて、ビンテージのアイテムに触れる中で僕たちが着たいものを作りたいという思いが大きくなっていきました。

ばする:僕の弟のヤズも参加して3人で始めることになりました。ブランド名は、アラビア語で「人々」「コミュニティー」という意味です。「ウナス」を通して、クリエイターやアーティストが自由に表現できるプラットフォームを目指したかったんです。でも、ファッションの生産背景に関する知識はゼロ。一時期は知り合いのデザイナーさんの下で働かせてもらい、ほぼ自分たちで調べました。

ゆせふ:めちゃくちゃ大変でしたね。何から始めればいいかや、パターンの引き方などをインターネットで検索して、トライアンドエラーを繰り返しました。

ばする:僕は日本企業で働いた経験があり、日本でのビジネスコミュニケーションの取り方は学んでいました。その分、工場とのやり取りは比較的スムーズでした。

WWD:「ウナス」の魅力は?

ゆせふ:色鮮やかなカラーリングと高品質な素材です。セカンドコレクションで作ったTシャツには上質な平編みコットンを使用しました。セットアップはタブルクロスを使用しました。Tシャツにプリントしたタクシーのイラストは、ヤズが描いたものです。今後はインディペンデントで活動しているアーティストとのコラボも増やしていきたいですね。

ばする:セカンドコレクションのテーマは“ミドルクラス”。サウジアラビア人に対する「お金持ち」のステレオタイプを壊したかった。僕たちは全員“ミドルクラス”出身です。僕はマーケットリサーチのアルバイトで、ゆせふはフリーランスのモデルで稼いだお金を「ウナス」の制作費に充てています。

ゆせふ:“ミドルクラス”のアーティストを巻き込んで、応援できればいいですね。

WWD:次にやりたいことは?

ゆせふ:ファションショーやポップアップにも挑戦したいです。ファーストコレクション発表後、コミュニティー以外の人たちからも「ウナス」のビジョンに共感してれた人からの反応がありました。インディペンデントなアーティストやクリエイターが好きなことを表現できるプラットフォームになれたらうれしいです。

ばする:国籍関係なく、いろんな視点を持った人が自由に参加してほしいですね。「ウナス」を通して、どんどんクリエイティブな輪が広がっていくイメージです。今、サウジアラビアでもユースカルチャーが急成長しています。2019年の夏にサウジアラビアで初めて「ウナス」のポップアップイベントを開いたときも、かなりの人数が集まってくれました。東京を拠点にしながら、サウジアラビアのユースカルチャーも引っ張って行きたいです。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2022年春夏速報第二弾は、注目の3大ムードを解説 日本から唯一現地入りしたビームスのリポートも

今週号は、日本からパリコレ入りしたおそらく唯一のショップ関係者であるビームスの戸田慎グローバル戦略部長によるパリコレダイアリーからスタート。来年本格始動する海外ビジネスのために渡航した戸田部長が目にしたパリコレ、展示会、パリの街並みをお伝えしつつ、そこから感じたこと、業界人がみんなで再考・共有すべきファッションへの想いを存分に語ってもらました。トラノイやプルミエール・クラスなどの現地展示会の雰囲気…

詳細/購入はこちら