ファッション

「レディメイド」のペットボトルのキャップからできた椅子、その制作工程を公開

 細川雄太が手掛ける「レディメイド(READYMADE)」はこのほど、海洋プラスチックゴミとして問題視されているペットボトルのキャップをリサイクルした椅子“イージーチェア(EASY CHAIR)”を発売し、制作工程をまとめたムービーを公開した。

 椅子のモチーフは「ピエール・ジャンヌレ(PIERRE JANNERET)」の名作だ。モザイクのような柄は海洋ゴミが海に浮かんでいる姿から着想を得たという。不要になったモノを新たなモノに生まれ変わらせるコンセプトを通して、サステナビリティーの重要性を投げかける。

 “イージーチェア”は、細川デザイナーの友人の家具職人の協力の下、素材となるキャップを溶かすところから組み立てまでを大阪の工場で製作している。1脚に使うキャップの量は約15キログラム。試作を50回以上繰り返しやっと形になった。キャップは排気ガスの発生を抑えるために、カマドで3時間かけ、ゆっくりと溶かし、板状にプレスする。その後、裁断機でパーツを削り出し、組み上げていく。背面と座面に使われる籐(とう)の部分は、「ジャンヌレ」の椅子の籐も編める、国内に数人しかいない職人が担当する。パーツの削り出しの際に出る廃材は粉状のものまで全て保管し、今後のアイテム作りに活用していく考えだ。

 1脚の完成までに1日半ほどかかるそうで、1年に納品できる数は100脚に満たない。全て手作業で作られた1点もので、色も異なる。日本はお茶がよく飲まれるため、緑の配分が多くなるそうだ。
 
 価格は66万円(税込み)。「レディメイド」の正規店で取り扱っている。

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