ビジネス

積分まで学ぶ! コンサル企業への取材で思うこと エディターズレター(2020年11月6日配信分)

※この記事は2020年11月6日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

積分まで学ぶ! コンサル企業への取材で思うこと

 サプライチェーン・マネジメントの領域で用いられる「制約理論」の生みの親によるコンサルティング会社への取材を重ねています。在庫のコントロールにより安直な大量生産から脱却し、大量廃棄を防ぐサステナブルな経営術を学ぶためです。記事は11月から、「WWDジャパン」の毎月第3週サステナブル特集号で掲載します(初回だけ第4週ですw!)。

 サプライチェーン・マネジメント、制約理論、コンサル会社……。この言葉から察する限り、とっても難しそうな取材であり、記事になるのでは?と心配な方も多いと思います。お任せください。まだまだ未熟ではありますが、ムラカミがファッション&ビューティ業界を代表して、コンサル会社の大胆な提言に対して「言ってることが分かりません!」とか「わかっちゃいるけど、できないんです!」「それは、業界の考え方と違っています」など口を挟み(笑)、咀嚼しながらアウトプットしています。取材は、もはや学校です(笑)。コンサル会社のCEOの話を聴きながら、「先生~、分かりません!」と挙手すると、噛み砕いて解説してくれる。ファッションやビューティ業界の事例をお話すると、一緒になって考えてくれる。マンツーマン教育って、素晴らしいですね。ちなみに43歳になって初めて、高校の頃に学んだ「積分」の大切さを思い知ったのは、この取材中での出来事です。理系だったんですけれどね(笑)。

 先方も、私のような翻訳者、コンサル業界の言葉を噛み砕きファッション&ビューティ業界に伝えてくれる・伝えようとしている存在の「ありがたさ」を感じてくださり、年末から年始にかけての連載企画に発展しました。翻訳者、大事ですよねぇ。今業界の翻訳者と言えばメディアやインフルエンサー、忘れちゃいけないのはショップスタッフでしょうか?翻訳とは、行間まで読み取り、相手を意識し、自分の言葉で伝え直す仕事です。ただの「文字起こし」や「直訳」ではありません。願わくば、私がコンサルの提言を噛み砕き伝え直しているのと同じように、インフルエンサーやメディア、ショップスタッフには創意工夫の余地を与え、彼らなりの解釈・表現・言葉で発信することが許される業界であってほしいと願います。

 それにしても他業種の方の言葉は、われわれの既成概念なんかに縛られていないから斬新です。今回「いや、そうですけど……」と思いつつ、よくよく考えると反論の余地がなく、結局「そうですねぇ。できるかなぁ?でも、やらなくちゃですよねぇ」と納得したのが、コンサルCEOの「今半分捨てているのだから、これから作る量は半分で良いんですよ」という言葉でした。例えば「同じ型の洋服は、一度に全部作りきるんです。他業種のように、同じものを作り続けるケースは多くありません!」と反論すれば、「半分捨てているんだから、まず最初に作る量は半分で良いんですよ」と言われます。ある型の洋服を作り切ったら次に、が当たり前だと思っていた既成概念を揺さぶられます。ホントですねぇ、半分捨てているんだから「まず半分作って、売れそうなら追加生産」の体制が当たり前になるべきかも。そのシグナルを察知し、上手にオペレーションする能力が必要なのですね。この業界に飛び込んで十数年。サプライチェーンをちゃんと考えないまま現在に至ってしまいました。ファッション業界の一番の欠点です。ランウエイなどの華やかな場所に比べると地味かもしれないサプライチェーンに光が当たれば。この連載の裏テーマです。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2021年秋冬新色特集 目指すのは“自己肯定感”を育むメイク

「WWDJAPAN」7月26日号は「2021年秋冬の新色特集」です。従来のジェンダー規範にとらわれないトレンドはあったものの、ここ数シーズンはさらに自然体で、性別という区別を超えた「個性を生かした自分らしさ」を表現するビューティが支持を集めています。美容ジャーナリストの加藤智一さん監修のもと、より複雑化していく性属性や個性に対するブランドの取り組み、人気ブランドの「推しコスメ」を紹介します。

詳細/購入はこちら