ファッション

ストリートウエアブランド「サイクル」が提案する“ユニークに環境と向き合う”選択肢

 環境に配慮したモノ作りを目指すストリートウエアブランド「サイクル(CYCLE BY M.Y.O.B.)」は、“アースエナジー(Earth Energy)”をコンセプトに2021年春夏コレクションを発表した。2シーズン目を迎えた今回のコレクションでは、アースカラーのリラックスしたムードのアイテムをそろえ、全体の約50%をリサイクルポリエステルやオーガニックコットンなどのサステナブル素材で構成した。

 「サイクル」のデザイナー、COMI(コミ)がこだわったのは、自身が表現したいストリートスタイルはそのままに、少しでも環境負荷を軽減する生地を用いること。日本のテキスタイルメーカーのサンプルを繰り返し試す中、アースカラーのジャケットには、帝人フロンティアが手掛けるリサイクルポリエステル“エコペット”を使用し、ハリのあるビッグシルエットを実現した。“エコペット”は回収された使用済みペットボトルを原料にしており、新たな石油を使わず資源を有効活用できる。そのほか鮮やかなグラフィックプリントのハットにはオーガニックコットンを、フューチャリスティックな雰囲気のオーバーサイズシャツには、リサイクル繊維を使用したポリエステル生地で、田村駒が提供する“C2C(シートゥーシーサーキュレーションポリエステル)”を選んだ。価格はジャケットが5万9000円、ハットが1万6000円、オーバーサイズシャツが1万8000円。

 さらに前シーズン好評だったというLEDランプ「ソネングラス」とのコラボアイテムも継続する。メイソンジャーのふた部分がソーラーパネルになっており、日中はジャケットやバッグのポケットに装着して充電することができる。ランプは防水仕様のため、フェス、キャンプなどのアウトドアシーンやバスタイムも楽しめる。「ソネングラス」が南アフリカ産のフェアトレード製品であることに共感したCOMIが、直々にコラボレーションを依頼したことで実現した。

 プラスチックごみや汚水問題などさまざまな情報に触れる中で、環境への関心が高まったというCOMIだが、ブランドの信念にあるのは「環境問題をカジュアル、かつユニークに表現したい」という思いだ。「私ができることはデザイン」と語り、一見“エコ”とは無関係なストリート色の強いアイテムをきっかけに、「ブランドを知って選んでくれたみんなが環境問題について考えたり、洋服を選ぶ選択肢の一つになったりしたらうれしい」という。

 素材や制作工程について、「まだ全てのアイテムに環境に配慮した素材を採用できているわけではない。リサイクル素材を使用しても染める際に水を使用するなど課題はある。ただ100%にこだわりすぎると自分もみんなも楽しくなくなってしまう。前シーズンでは30%程度だった環境配慮型素材の割合も今回は50%まで増やした。私ができることを少しずつストリートウエアで表現し、それを『サイクル』というブランドに乗せて発信していきたい」と語る。今後はさらに素材を見直すほか、パイナップルの葉の繊維から作られるレザー風テキスタイル“ピニャテックス”にも挑戦したいという。

 「サイクル」は、ニューヨーク発のブランド「エムワイオービー ニューヨークシティ(M.Y.O.B NYC、以下エムワイオービー)」を立ち上げたデザイナーのCOMIが2020-21年秋冬シーズンにスタートしたブランド。「エムワイオービー」の特徴であるエッジの効いたストリートスタイルはそのままに、よりリアルクローズなデザインへとアップデートし、環境に配慮したモノ作りを目指す。現在は公式オンラインストアを主軸に、中国、韓国などアジア圏のほか、ミラノ、ロンドンでも取り扱う。日本では9月に伊勢丹新宿本店で、11月には渋谷パルコでポップアップストアを開催した。

最新号紹介

WWD JAPAN

バーチャル空間に商機あり ファッションビジネスの可能性を探る

1月18日号は「バーチャル空間」特集です。世界最大級のストリートの祭典「コンプレックスコン」のデジタル版「コンプレックスランド」と世界最大級のバーチャルイベント「バーチャルマーケット5」を徹底取材。出展者や参加者が “体験”したことで分かった可能性や課題をまとめました。大型連載、サステナブル特集はステップ5として「認証」がテーマ。国際的な認証機関のお墨付きを得ることの重要性を説きます。ミニ特集では…

詳細/購入はこちら