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ファッション記者の「ビューティのこと知らない」をビューティ記者が回答 美容家の定義や韓国コスメが人気の理由とは

 11月2日号の「WWDジャパン」では、ファッション業界を取材する記者からビューティに関する疑問を募集し、ビューティ記者が回答する「往復書簡」を実施した。ビューティ業界を熟知する記者でもハッとするような新鮮な疑問や質問が多く集まった。その中でもファッションとは切り離せないヘアメイクアップアーティストについてや、アルビオンの看板製品“スキコン”が売れ続ける理由などエンドユーザーに知ってほしい質問・回答をお届けする。

Q.1:アルビオンの“スキコン(薬用スキンコンディショナー)”は何故ずっと売れている?年間の売上高は?

A.1:国産ハトムギエキスなどの潤い成分が肌荒れや乾燥を防ぐなど肌実感の高い点が支持され続けている理由の一つだろう。3世代で使用している人も少なくないという。1974年の誕生から46年経った今でも、毎年新客が20%ほどいて20代から幅広い層まで支持を集める。外国人からも人気で、特に中国では“健康水”と呼ばれているほど製品への信頼度は高い。2017年ごろには年間300万本を生産しており、年間150億円以上(小売ベース)売り上げているのではないかと予測する。

Q.2:美容家の定義って何?どんな人がいるの?

A.2:「WWDビューティ」2018年10月18日号で「美容家とは何者か?」という特集を掲載したが、明確な定義づけがないのが現状だ。美容家と語る大半が、化粧品会社で長年勤務していたりファッション誌や美容誌のビューティ担当者だったりと、肌の構造や化粧品の知識が豊富であることが前提にある。代表的な人物としては、80歳を過ぎて今なお活躍されている小林照子さん(娘の小林ひろ美さんも美容家)や今年亡くなられた佐伯チズさん。最近目にする機会が多いのはドラマにも出演している神崎恵さんや、アイラッシュサロンの経営も行う石井美保さんなどがいる。美容家のほか、美容ジャーナリスト、美容愛好家、美容編集者、美容ディレクターなどといった肩書きもあり、どういった肩書きかは本人が決めている。

Q.3:今注目のヘアメイクアップアーティストは?

A.3:取材で多くの美容師と話をする中で名前が上がる、また日々ビューティ関連の広告を見ていて注目しているのは根本亜沙美ヘアメイクアップアーティスト。アートディレクターの吉田ユニとタッグを組むことも多く、刷新した「エテュセ(ETTUSAIS)」のビジュアルは記憶に新しい。

 また資生堂のメイクアップアカデミー&スタジオ「サブファ(SABFA)」の校長も務めた原田忠資生堂トップヘアメイクアーティストは、オタクとしても有名で、人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」や「テラフォーマーズ」などのキャラクターをヘアメイクで再現して話題に。最近では「ユニクロ(UNIQLO)」のグローバル旗艦店「ユニクロ トウキョウ」とコラボしてTシャツを作ったり、店頭のインスタレーションのマネキンのヘアを手掛けるなど自由なクリエイションが注目されている。

Q.4:なぜ男性を広告に起用してもその人自身がメイクしないの?

A.4:そもそもは男性タレントを起用することで、その男性タレントの女性ファンに買ってもらおうというのが狙い。なので、そのタレントがメイクをするというよりは、商品を使ったら「素敵だよ」と“彼”が思ってくれるということでの起用だった。ただ近年は男性タレントがリップまでつけて広告に登場することが多く、男性タレントは広告以外の仕事でもメイクをしているケースも増えている。女性ファンを囲い込む狙いはもちろんだが、今は男性へのアプローチの役割も大きい。

Q.5:今売れているメンズビューティ・ベスト3アイテムは?

A.5:メンズコスメ担当記者が、最近の取材の中で売り上げを伸ばしていると感じる3つのアイテム。まずは「乳液」。メンズのスキンケア事情として、「洗顔」はかなり普及しており、「化粧水」を使う男性も増えた。そこで「次のステップである『乳液』を使う男性が増えれば、本当にメンズコスメ市場は盛り上がる」と考えているメンズコスメ関係者も多い。それで意識的に「乳液」を推しているメーカーが多いこともあり、意識の高い男性の間で“化粧水よりも肌のベタつきを押さえられて潤いが長持ちする”という乳液の特徴に気付く人が増えた。乳液タイプのオールインワンアイテムも売れているようで、「乳液」には注目している。

 2つ目は「除毛クリーム」。ここ数年、夏になると売り上げを伸ばしているアイテムだが、今年は新型コロナの影響で海やプールに行く機会がなく、売り上げは落ちると思われていた。ところが、自粛期間中に自らの肌と向き合ってケアを始める男性が多かったらしく、ロフトや楽天市場でも売り上げを伸ばしているという。

 3つ目は、マスクにひと噴きして除菌・消臭・香りづけをする「マスクリフレッシャー」。マスクをつけたときに自分の口臭が気になる男性が多く、エチケットアイテムとして売り上げを伸ばしている。口臭ケアアイテムを使えばいいと思われがちだが、口臭ケアアイテムは自分でいい香りを感じられないが、マスクに振りかけるアイテムならば、いい香りを自身で感じられる、というメリットがあるようだ。

Q.6:ビューティ初心者の男性にオススメの入門ビューティグッズは?

A.6:上述のように「洗顔」はかなり普及しており、美容に興味を持ったばかりの男性にはまず化粧水をオススメする。皮脂の過剰分泌や髭剃り後など男性特有の肌トラブルも肌質に合わせて選ぶことで理想の肌に近づける。また一歩踏み出したい方は、視覚的に効果を実感しやすく、肌の悩みやトラブルをカバーしてくれるBBクリームがオススメだ。資生堂「ウーノ(UNO)」の“フェイスカラークリエイター”は、肌の色に合わせて毛穴やニキビ跡、ひげの青み、クマといった悩みをカバーし、補正する。

Q.7:化粧品メーカーの宣伝や女性誌などで、「肌をきたえる」「肌を甘やかす」というような表現を見かけますが、化粧品で本当にそのようなことは可能なの?

A.7:ひとつには薬機法(医薬品医療機器等法)ではっきりと「効く」と言えないことも大きいのではないか?それもあり、曖昧な表現も多くなっている。「きたえる」や「甘やかす」は、主観によるところが大きい。若い肌にはエイジングケアの高いクリームは必要ないだろうし、それを使ってしまうと「肌が甘やかされて、それじゃないと肌の調子はよくなさそう」と思う。逆に同じ化粧水でも異なるブランドを使うことで、肌はきたえられる、というのもあながち嘘ではないと、あるブランドの人から聞いたことがある。

Q.8:韓国コスメは何故に人気なの?

A.8:韓国アイドルやK-POPのブームが広がるとともに、韓国コスメも人気を集めている。低価格で美容成分を多く配合する画期的なアイテムが多く、斬新なパッケージが多いのも特徴だ。クッションファンデーションや眉ティントといったユニークなアイデアの商品も話題となり、注目を集めている。海外ビューティ企業による韓国企業の買収の動きも活発的で、ロレアル(L‘OREAL)は「3CE」などを展開するナンダ(NANDA)を買収、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は韓国のドクターズコスメ「ドクタージャルト(DR. JART+)」と「ドゥ ザ ライト シング(DO THE RIGHT THING)」を展開するハブ&ビー(HAVE & BE)を買収している。

Q.9:コスメは製造年月日より、使用期限を記載したほうが便利だと思うが、そうしない理由は?

A.9:医薬品や化粧品などの品質・有効性および安全性を確保することを目的とした法律である薬機法では、製造後3年以内で変質する化粧品を除いて使用期限を表示する必要がないとされているからだと考える。ちなみに未開封で3年、開封後は3〜6カ月で使い切るのが基本となっている。薬機法に基づき、自然由来原料を使用するオーガニック・ナチュラル化粧品は、使用期限が明記されているケースが大半。

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アウトドア消費の現在地と未来 ブームは一過性か、それとも日常に定着するか

「WWDジャパン」11月30日号は「アウトドア」特集です。アウトドアウエアが日常的に着用され、商業施設の目玉テナントとして誘致されるなど、市場を席巻しています。キャンプやハイキングなどはコロナ禍に最適なレジャーとしても注目されていますが、このブームは一過性のものなのか、あるいは日常に定着するのか。特集では、自然の豊かさを多角的に発信するアウトドア企業のトップや、ファッション視点で市場を見てきた名物…

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