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「ファセッタズム」が発信する“東京ファッションの明るい未来” 楽天支援で5年ぶりに東コレ帰還

 「ファセッタズム(FACETASM)」が楽天の支援プロジェクト「バイアール(by R)」の一環で、5年ぶりのファッションショーを東京で披露した。落合宏理デザイナーが「僕らは2011年の震災後に東コレデビューをしたころ、服の力を信じて自分たちのできることを模索していた。今回こうしてコロナ禍でショーを行うチャンスを得られて、東京のファッションの未来を見せられるようなショーを見せたかった」と語る通り、明るくポジティブなエネルギーに溢れたショーだった。

心を動かされた4歳の息子の絵

 会場は寺田倉庫のコンクリートに囲まれた無機質な空間。ライブ配信では趣向を凝らした演出を見せた。会場に設営した複数台のカメラの他に、客席の4人の協力を得てスマートフォンカメラでの撮影も行い、客席の目線に合わせたライブ感のある映像も取り入れた。

コレクションは、落合デザイナーが「心を動かされた」という4歳の息子の絵をグラフィックデザインとして採用している。「“レックレックアーヒーモンスター”っていう名前で(笑)。もうすぐ5歳になる今は仮面ライダーなどのヒーローを知ってしまったので、4歳のときにしか描けない絵だと思ったから」。フィナーレにはサンリオが作った“レックレックアーヒーモンスター”のぬいぐるみが登場した。また会場ではキャラクターが描かれたマスクを配布し、来場者たちが演出として着用した。ゆるいイラストで会場のみんなが笑顔になり、会場の一体感も生まれていた。

“+MORE”の大胆な力強さ

 発表したウエアは得意とする東京のストリートの要素を、異素材ミックスや装飾のハイパーミックスで誇張したスタイルだ。“More memories. SS21+MORE”と題して、20型ほどこの日のショーのために制作したショーピースを追加している。反射テープをランダムに貼り付けたファイヤーマンジャケット、タータン生地をミックスしたキルト、突き上がったハードチュールのブラトップなど、大胆な力強さが伝わってくる。

 落合デザイナーは「立ち上げから11年間はショーを行うという夢に向かって若さのままにつき進んでいたが、今は家族やスタッフを守るという責任がある。それでも今回はとにかく楽しくやりたいと思った」と語る。ブランドのステージも心境も変わった今、「人の気持ちも考え方も、変化していくけれど、積み重ねてきた記憶や思いを大切にしたい」という思いを刻んだショーだった。

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