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今、音声コンテンツが熱い 美容師の内田聡一郎が「ボイシー」に挑戦する理由

 最近は音声メディア「ボイシー(VOICY)」や音声プラットフォーム「スタンド・エフエム(stand.fm)」などが登場したことで、音声コンテンツに注目が集まっている。これまでも「ポッドキャスト(PODCAST)」などはあったが、今なぜ音声コンテンツなのか。昨年12月から音声メディア「ボイシー(VOICY)」でコンテンツの配信を続ける美容師の内田聡一郎「レコ(LECO)」代表に話を聞いた。

WWD:まず「ボイシー」を始めたきっかけは?

内田聡一郎(以下、内田):これまでもツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ブログといろいろやってきて、常に何か新しい発信の方法を試してみたいと考えていました。その中で、ユーチューブという選択肢も思い浮かんだのですが、いろいろと研究しているうちに、ちょっと自分がやるのは違うなと感じたんです。そんなときに「ボイシー」を知って、もともとラジオが好きだったこともあっておもしろそうだなと思い、昨年の12月から始めました。「ボイシー」って誰でもできる訳ではなく、きちんとした審査があって、今は美容師でやっているのは僕だけです。

WWD「ボイシー」ではどんなことを発信している?

内田:日々の仕事などで感じたことを発信しています。「センスが良いってなんだ」や「好きな事を仕事にして稼ごう時代のジレンマ」「好きな事がなかなか見つからないへの回答」などは反響も大きかったです。

WWD:「ボイシー」をやってみていいと思うことは?

内田:ブログのように文章を書くという労力が要らないというのはあります。音声によるブログのようなイメージです。「ボイシー」は一発撮りでやっていて、ある意味荒削りな感じで出せるのが、生々しくていいですね。ブログだと温度感が伝わりにくく、音声の方が親近感を持ってもらえるので、エンゲージメント率も上がる。話し方でニュアンスも伝えられるので、文章だと少し過剰に伝わってしまうネタも話せるのがいいです。あと、音声コンテンツだと聴く方も“ながら聴き”ができるのがよくて、「通勤の合間に聴いています」などとよく言われます。

WWD:話す内容は事前に決めている?

内田:最初のころは細かく決めずにフリートークの感じで始めたんですが、それだと話が散漫になってしまうので、今は内容を決めて話すようにしています。基本的にはリスナーが聴いて好奇心を持てたり、学びがあったりするコンテンツを意識はしていて、「ボイシー」だと1コンテンツ10分以内と決まっているので、その中でいかにまとめるかを考えています。それがある意味で自分自身の思考トレーニングにもつながっているんです。今はだいたい週1~2回の頻度で配信しているんですが、「ボイシー」はタイトルの下書きができるので、あらかじめ何回分かのタイトルを書いて保存しておくと、日ごろからそのネタについて考えるようになって、話をまとめやすくなります。また配信用に普段からネタを探すようになりました。「これ話せそう」というネタがあったら常にスマホのメモに書き込むようにしています。

WWD:リスナーの反応はどう?

内田:リスナーの多くが美容師なんですが、僕にクリエイターのイメージを持っている人が多かったんですが、意外とロジカル的な面もあるんだなと、これまでと違う一面を知ってもらえているなと感じています。あと、これは想像していなかったんですが、美容師以外の人も聴いてくれていて、「ボイシー」を聴いてお店に来てくれる人もいますね。

WWD:フォロワーも順調に増えている?

内田:現在フォロワー数は4100人ほどです。スタートして3カ月半くらいでこの数字は順調かなと思います。ある意味で、この数字が僕のコアなファンなんだと分かったのもやってよかったです。インスタグラムのフォロワー数は9万1000ほどなんですが、「一応フォローしておこう」みたいな人も多くて、だから「ボイシー」でわざわざ僕をフォローするという一つのステップをつくることで、本当に自分に興味を持ってくれている人はどれくらいいるのかを知れてよかったです。

WWD:最近はインスタグラムでも鍵付きの裏アカウントを作ったりして、クローズドなコミュニティーへの意識も高まっているが?

内田:僕自身、昔はツイッターやインスタグラムも全部の情報を見ようとしていたんですが、最近はそこまで追わなくなったんです。それよりも有料で見られる情報やクローズドな情報の方がやはり有益なものが多い。あまり情報を入れすぎると消化しきれなくなるので、なるべく“良質な情報”に触れることが今は大事だなと思います。