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タイムズスクエアのビルボードを「SK-Ⅱ」が占拠! 体操五輪金メダリスト、バイルス選手が「美は#競争ではない」と提唱

 米ニューヨークのタイムズスクエアで3月3 日夜(現地時間)、41もの大型デジタルビルボードが一斉にレッド一色に染まった。そこに浮かび上がる「SK-Ⅱ」のロゴ、そして「#NOCOMPETITION 美は #競争ではない」の文字。これは東京2020オリンピックの公式スキンケアブランドである「SK-Ⅱ」が、2月にスタートさせた「#NOCOMPETITION 美は #競争ではない」キャンペーンの一貫であり、6組のトップアスリートが不必要な美の競争を乗り超えた実体験に基づく「SK-Ⅱ」初のアニメーションシリーズ「VS6」の予告編を公開したビッグイベントだ。

 タイムズスクエアには多くの見物客が集まって、ビルボードに見入った。そしてアニメーションとなった6 組のアスリートのひとりである、体操選手のシモーン・バイルス(Simone Biles)が登壇。バイルス選手といえば、リオ五輪の体操競技で金メダル4冠に輝く米アスリート界のトップスターだ。だが、その彼女であっても、ネットのネガティブなコメントに苦しめられたという。

 「私は競技で争うことは好きです。けれども美で争うことは嫌いです」と壇上でバイルス選手は語り始めた。「この動画は文字通り、美しさに対するネット上での批判への私の人生で最大の闘いです。美しさが何であるかは、自分自身で定義することができます。私たちの美しさを他人が決めるべきではないのです」。

 アニメーションの中で、バイルス選手は華麗な技で競技を勝ち抜いていくが、スマートフォンを覗くと、彼女のルックスや態度についてオンラインに投稿された批判ツイートやネガティブなコメントが現れて、それが次々と攻撃してくる。やがてそれは大きな“Kaiju怪獣”となって襲いかかる。しかし、そこから真の自信を獲得したバイルス選手が立ち上がり、怪獣を倒していく。巨大なビルボードでは50mもの高さにおよぶ怪獣のアニメや、次々とスクリーンが連動して映し出していくバイルス選手の動きがダイナミックで、タイムズスクエア全体がシネマスクリーンになったような迫力だ。

 さらに6組のアスリートたちを主人公とした、「SK-Ⅱ」初のアニメーションシリーズ「VS」の予告編ティザーも公開された。バイルス選手のほかに、水泳選手のリウ・シアン、卓球のオリンピックメダリストの石川佳純、同じく金メダリストのバドミントンペア、髙橋礼華と松友美佐紀、公式種目に初採用されたサーフィン選手の前田マヒナ、そしてバレーボール女子日本代表チー ム「火の鳥 NIPPON」の選手たちが、それぞれアニメの主人公となって、不必要な美の競争に対して「アンチ」「プレッシャー」「ルックス」「ルール」「リミット」「マシーン」という 6つの異なる側面から、この問題を語った。

 巨大なビルボードには「#NOCOMPETITION 美は #競争ではない」という、女性たちに向けたポジティブなメッセージが流れ、壮大なイベントとなった。沿道にはぎっしりと見物人が詰めかけ、熱心にスマートフォンで録画しながら、バイルス選手に大きな声援を送った。最後に「SK-Ⅱ」のアンバサダーである女優、綾瀬はるかも真紅のコート姿で登壇し、バイルス選手と並んで観客に応え、タイムズスクエアが「SK-Ⅱ」色に染まった一夜となった。

 またこのイベントに先立って、ニューヨークにある「ロウワーイーストサイド・ガールズ・クラブ(Lower East Side Girls Club)」では、バイルス選手が10代の女子たちに「#NOCOMPETITION」を語るイベントも催された。この「ガールズ・クラブ」は、ロウワーイーストサイド地区の中高生の女子たちに、教育からアート、健康などのさまざまなプログラムを提供する非営利団体で、ことに低所得者家庭のガールズ・エンパワーメントとリーダーシップ育成を打ち出している。

 どんなネガティブな経験があったかと聞かれると、「腕が太すぎるとか脚が太すぎるといった批判コメントを受けて、一時期はとても傷ついていました」とバイルス選手。また、多感な思春期にネットのいじめによって傷つけられた体験も話した。「自分のストーリーを多くの人と共有できたことは、私にとって大きな意味がありました。このような美にまつわる批判を受けたことがある若い女性や女の子たちが今日ここでの経験を通して、他人が決める美の基準の押し付けと闘っているのは自分だけではないということを知ってほしいと思います」。

 質疑応答の時間には、会場に集まった女子たちから次々と手が挙がり、「どうやって見た目を気にしないようになったのですか?」「背の高さについて悩んだことはありますか?」といったストレートな質問が投げかけられたが、バイルス選手は率直に10以上もの質問に応じた。バイルス選手は少女たちに、「みんなそれぞれ美しいのだから、他人にどう見えるかではなくて、美しさを自分が定義していいのよ」と力強いメッセージを送り、最後に少女たちと並んだ記念撮影では、全員が「ハッシュタグノーコンペティション!」と大きな声でスローガンを口にした。

黒部エリ:東京都出身。雑誌ライター、ジュニア小説家を経て、1994年からNY在住。NYのトレンドやビューティ情報を女性誌などに発信している。著書に「生にゅー生のニューヨーク通信」(文藝春秋社)ブログ「黒部エリぞうのNY通信」http://erizo.exblog.jp/