ファッション

ドーバーが生む“検索に引っかからない”世界 エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年10月23日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

ドーバーが生む“検索に引っかからない”世界

 学園祭の季節ですね。ファッションブランドと学園祭のコラボレーションやイベントはもっとあってもいいかなと思います。

 それはさておき、2019年10月19日(土)の午後はずっとドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA、以下DSMG)で過ごしました。この日はオープンハウスと呼ぶイベント開催日で、同店が扱うブランドのデザイナーやつながりのあるアーティストなどが世界各国から40組以上来店し店頭に立っていました。繰り返しますがこの日のために世界から40組以上です。恐るべし、ドーバーの求心力。

 その中には、「ダブレット(DOUBLET)」の井野将之デザイナーや「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」のグレン・マーティンス(Glenn Martens)=デザイナーなど有名デザイナーもいますが、日本ではほぼ無名な人もいます。むしろその方が多く、資料に並ぶブランドや人物の固有名詞をウエブで検索したり、SNSでハッシュタグ検索をしたりしても日本語ではひっかからないケースが多数でした。私は日頃の取材では相手に失礼のないよう事前知識をなるべく入れてからお会いしていますが、今回は諦めて、行き当たりばったりで出会った人に次々と話を聞く、というスタイルになりました。

 もちろん彼らをよく知る同店の顧客や各ブランドのファンも来店しています。ファンにとっては好きなブランドのデザイナーに会える、嬉しいイベントですから小さなファンミーティングみたいな盛り上がりがあちらこちらで起きていました。同時にお目当てが決まっていなくても十分楽しいイベントです。超個性的なサングラスのデザイナーの話を聞いていたら、知り合いが通りかかって話に加わり、皆で一緒に別のフロアのライブを観に行く、といった具合で、次々と出会いの輪が広がっていきます。ちなみに、業界関係者も家族連れで大勢来店していてちょっとした横のつながりも生まれていました。

 このイベントに参加するクリエイターたちには、フォロワー数など「すでに影響力があること」を示す数字のパワーは問われていません。問われているのは、どれだけ個性的か、どれだか濃いか、どれだけ本気か。だからある種の中毒性を伴うパラダイスが生まれます。ファッションを生業にしながら、「最近、大切な何かを忘れそうになっているな~」と実感している方は一度ぜひのぞいてみてください。(次回開催は未発表・未確認ですのであしからず)。

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