
サッカーW杯はスペインの優勝で幕を閉じました。準決勝では優勝最右翼と目されたフランスを2-0で退け、決勝ではメッシ擁するアルゼンチンを1-0で完封。圧倒的なポゼッションで相手の戦意を削ぐパスサッカーというスペインサッカーの本質は、2010年南アフリカ大会を制してから15年以上変わっていません。
その間、サッカーの戦術トレンドが目まぐるしく移り変わる中で、なぜスペインは「スペインのまま」で勝ち続けられるのか。イタリアが3大会連続で本戦出場すら逃し、ドイツもベスト32で姿を消すなど、他の欧州強豪国が低迷する中、なぜスペインだけが哲学を失わずにいられるのでしょう。
その大きな要因の一つが、ラ・リーガ(スペインリーグ1部)の名門チーム、バルセロナの下部組織である「ラ・マシア」だと言われています。ラ・マシアは、バルサのレジェンドであるヨハン・クライフが1980年代に持ち込んだフットボール哲学を、有望なサッカー少年たちに刷り込み続けることで、「天才の再生産装置」として機能してきました。やがてこの哲学は一クラブの枠を越え、スペイン代表と国内育成全体の共通言語になっています。いまや異なるクラブの苗床で育った選手たちが、代表に集まった初日から同じサッカー言語を話します。少年たちはすでにトップチームに入った段階から戦術言語を当たり前のように理解しており、だからこそ19歳のラミン・ヤマルのような天才も即戦力として活躍できるのです。
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