
百貨店の二極化が進んでいる。伊勢丹新宿本店やJR名古屋高島屋など大都市の一番店は、2025年度も過去最高の売上高を更新した。それ以外でも東京や大阪の都心店舗は、コロナ明け以降、上昇気流に乗っている。一方で地方百貨店の閉店が相次ぎ、都心店舗でも3月に名鉄百貨店が閉店し、西武渋谷店が9月に閉店することが決まった。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月20日号からの抜粋です)
江戸時代から続く「外商」の進化
どこで明暗が分かれるのか。一つにはこちらの記事で紹介する富裕層と訪日客を取り込めているかの違いだろう。好調な百貨店はいずれも「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「エルメス(HERMES)」「シャネル(CHANEL)」といった高級品の品ぞろえが充実しており、これが富裕層や訪日客を引きつける。富裕層や訪日客による恩恵が少ない店舗は苦戦している。マス向けの中価格帯の百貨店は、カテゴリーキラーやショッピングセンターとの競争に巻き込まれてしまう。
百貨店の二極化の象徴が、伊勢丹新宿本店の外商顧客向けイベント「丹青会」である。かつては年間で最も売れる日は、セールが同時に始まる正月の初売りだった。福袋やセール品を求めて長い行列ができた。現在は最も稼ぐのは、この丹青会の日である。外商顧客のために集めた高級ブランドの数百万円の限定品が活発に売れる。2月に開催された丹青会では単日売上高が50億円以上と過去最高を記録した。
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