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ワールド鈴木社長、アパレル立て直しは「最後の猶予」 ブランド終息もためらわず断行

2027年2月期上期(3〜8月期)を増収増益で折り返したワールドだが、下期の視界は決して良好ではない。成長領域のB2B事業が利益を伸ばす傍ら、ワールド本来の屋台骨であるアパレルブランド群の元気がない。鈴木信輝社長は「冷徹に構造改革を断行し、セグメント収益力の完全回復に臨む」と不退転の覚悟だ。

グループの連結業績は、売上高に相当する売上収益が前年同期比4.1%増の1424億円、本業のもうけを示す事業利益が同0.3%増の83億円、純利益に相当する中間利益が同4.2%増の58億円で、全ての利益段階で期初計画を達成した。一方、ワールド生まれのアパレルブランドを担うフィールズインターナショナル、アルカスインターナショナル、エクスプローラーズトーキョーの3社は、事業利益が計画を合計18億円下回るなど、足を引っ張る格好となった。

3社それぞれの国内売上高(日本基準)は、「アンタイトル(UNTITLED)」などを展開するフィールズが4.5%減の170億円、「オペークドットクリップ(OPAQUE.CLIP)」「シューラルー(SHOO・LA・RUE)」などを擁するアルカスが9.9%減の233億円、「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」などのエクスプローラーズトーキョーが6.5%減の76億円。利益を稼いだのは、エムシーファッションが外販を伸ばしたB2B事業(事業利益12.3%増の30億円)、新規連結のライトオンやワールドスタイルレーベルズ、ブランド古着店「ラグタグ(RAGTAG)」を運営するティンパンアレイなどのサーキュラー事業で、これらがフィールズ、アルカスなどの不調を補った格好だ。

在庫の過剰抑制で「売るべき在庫がなかった」

同社は、従前から基幹アパレルの不調が表面化する中、MD改革に取り組んできた。前期下期には25年秋冬物の仕入れを緊急停止し、26年春夏物も大幅に抑制。不要不急の販管費の支出を止めた。今上期は、質の伴わない過剰在庫カットによる在庫適正化と共に、商品の開発・生産体制・業務の刷新を両輪で進めてきた。ただ、仕入れの絞り込みは裏目にも出て、6月は夏物の販売が大きく落ち込んだ。鈴木社長は「明らかに売れるものがあったにもかかわらず、過剰に抑制をしすぎた。売るべき在庫がなかった」と反省の弁。

一方で、改善の兆しもある。「タケオキクチ」は新ラインが売り上げを下支えし、「アンタイトル」はブランドの顔となる商品を一切値引きせず、プロパー販売にこだわる意識が根付いてきた。「シューラルー」は開発体制を刷新し、前年の同じポジションの商品に比べて3〜4倍売れる商品が出始めた。鈴木社長は「改善がようやく形になりつつある」としながらも、「まだまだ足元の予断を許さない」と冷静だ。今後は「勝つべきブランドを勝つべくして伸ばす、退場すべきブランドは冷徹に整理する」とし、収益化の見込めないブランドの統廃合や低収益店舗の撤退に踏み込み、今期中の完遂を目指す。

回復見通しの立たないブランドは「ちゅうちょなく」終息

不振ブランドの見極め対象は、特定のチャネル・ゾーンのブランドに限らず、ブランドポートフォリオ全体に及ぶ。売り上げの多寡に関わらず、収益性で精査する。赤字からの回復が見込めないブランドは「ちゅうちょなく」終息させる。また、終息したブランドの一部商品を、ほかのブランド店舗に残す「コンテンツ化」も選択肢にある。

継続ブランドについては、魅力ある商品の開発と好調商品の進化、クイックレスポンス(QR)やジャストインタイム生産、直接貿易など生産と一体になったサプライチェーン改革、ブランドマーケティングの見直し、過剰な成長を求めない持続性重視の運営に取り組み、業績の改善を目指す。また、事業整理によって縮むブランドポートフォリオの規模は、外部ブランドのM&Aなどで補う方針だ。

通期業績計画は、下期のブランド事業回復を前提に据え置き

通期連結業績予想は、期初計画を据え置いた。売上収益は前期比5.6%増の3000億円、事業利益は同12.3%増の185億円、純利益は同4.9%増の126億円を見込む。利益目標の達成には下期(26年9月〜27年2月)に事業利益で前年同期比24.7%増の101億円が必要となるが、ブランド事業のテコ入れ・復調を前提に、B2C事業で同1.8倍の81億円を稼ぐ計画だ。上期に3.5%減だった国内の既存店売上高も、下期は前年並みを目指す。鈴木社長は「自ら退路を断って、絶え間なく事業構造改革を断行し、未来に進むべき道を切り開く」と前を見据える。

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