ファッションを語るうえでどんどんメジャーになっている古着市場では、どんなアイテムが売れているのか。大阪アメリカ村で古着店として創業し、下北沢などに古着専門店を構え、全国約30店で古着を扱うウィゴーに、今春(3〜5月)の売れ筋を聞いた。バントTシャツ、90年代Tシャツ、プリントスエットと、古着ならではのアイコンやグラフィックのプリントトップが上位を占めた。
1 / 10
1位
バンドTシャツ
近年物でも有名バンド物は国内外・男女問わず人気である。単品展開店舗を拡大したことで、路面店・SC問わず幅広い客層に好調であった。人気のバンドはニルヴァーナ、ガンズ&ローゼズ、メタリカ、ローリングストーンズ、レッドホットチリペッパーズなどで、アイコンやロゴが分かりやすい物が特に人気だ。コレクター需要とファッション需要で二極化する中、ファッションとして取り入れる層はビンテージにこだわらず、90年代物の高騰を受けて2000年代以降に注目する声も多かった。手軽に取り入れやすい価格帯が好調要因であり、Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)の来日をきっかけに関連Tシャツが売れるなど、市場動向の影響を受けるケースも見られた。
2位
90s Tシャツ
90年代のグッドレギュラーTシャツを比較的手頃な価格帯で展開しており、掘り出し物感覚で購入できる点が好評。買いやすい価格で失敗しにくいという安心感から、中心価格帯の売れ行きは好調であった。高単価商品が売れていないわけではないが、古着好きでも高額商品は慎重に購入する傾向があり、即売れするような目立ったデザインやモチーフは少ない状況だ。
3位
プリントスエット
圧倒的に価格の安さが幅広い客層を獲得した要因である。年代やプリントにこだわるというよりも、安くて使いやすい商品をフリマ感覚で気軽に購入できる点が支持された。また、取り入れやすいスウェットというアイテム特性に加え、ベーシックカラー中心の品揃えによって選びやすく、買い上げ率が高かった。
4位
ブランドシャツ
例年売れ筋上位に入るアイテムであり、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」のブランド力は引き続き強い傾向である。無地の白や淡いカラーの需要が高く、春物として動きが良かった。ストリートシックの流れから、細かなチェック柄や細ピッチのストライプなど、きれいめ要素を取り入れやすいデザインが好調であった。ネクタイとの併売も見られ、幅広い客層に支持された。定番アイテムとして安定した人気を維持している一方、近年は「ラルフ ローレン」のシャツ自体が集まりにくくなっており、今後の動向に変化が出る可能性もある。
5位
「ハーレーダビッドソン」Tシャツ
フレイムパターン、イーグル、スカル、サンダーなど「ハーレーダビッドソン(HARLEY-DAVODSON)」特有のデザインが引き続き人気である。特に今年はイーグルモチーフの人気が高く、26年春夏の「シュプリーム(SUPREME)」×「MM6」コレクションの影響も考えられる。ボディーカラーは黒が圧倒的人気で、適度に退色したフェード感のある個体が好まれた。一方で、大きすぎるサイズは反応が鈍く、M〜Lサイズ中心の需要であった。品ぞろえの豊富さと選べる量の多さについて、お客さまから高い評価を得ている。
6位
ポロシャツ
今年は人気が急増したアイテムである。ラガーシャツのトレンドも追い風となり、「ラルフ ローレン」のビッグポニーやワッペン付きなどデザイン性の高い個体が人気を集めた。特にGW前後には20歳前後の男女からの需要が目立った。トップスはジャストサイズ、ボトムスはバギーシルエットを合わせたAラインスタイルが定番となっている。「フレッドペリー(FRED PERRY)」などのシンプルなモデルは韓国ファッション系統の女性から支持されており、UKカルチャーの影響も感じられるカテゴリーである。
7位
キャラクターTシャツ
ディズニーを中心に、ルーニー・テューンズやベティ・ブープなど定番キャラクターが人気である。加えて、近年物の映画作品や「ストレンジャー・シングス」などのドラマ作品も好反応であった。男性は短丈かつ身幅の広いシルエットを好み、高単価商品でも探していたデザインであれば購入につながっている。女性はY2K要素のあるラメプリントやカラー物、タイトなサイズ感の商品を中心に購入している。
8位
ブランドジャージー
春先の羽織アイテムとして人気が継続している。昨年、一昨年と比較すると定番化が進み、大きな伸びは見られないものの、メンズ学生を中心に安定した需要がある。ブランドでは「アディダス(ADIDAS)」が圧倒的人気であり、黒やネイビーなどの定番カラーが好調であった。ファッション感度の高い層からは赤・緑・黄色などの差し色となるカラーも支持されている。シンプルなデザインからワッペン付きまで幅広く動いている。
9位
「カーハート」ボトムス
「カーハート(CARHARTT)」のブランド人気は継続している。程良く太いシルエットや、ダック地特有のアタリ、雰囲気のある色落ちが評価されており、愛用者の中には複数本所有する方も多い。合わせやすいカラーや手頃な価格帯のペインターパンツを中心に、安定して売れているカテゴリーである。
10位
スウィングトップ
「ラルフ ローレン」が引き続き人気である。春先の定番ジャケットとして定着しており、短丈・襟付き・フロントZIPという需要を満たすアウターとして高い支持を集めている。価格は高騰しているものの、汎用性の高さが購入の決め手となっている。黒、ネイビー、カーキ、ベージュが安定して人気で、M〜Lサイズのジャストな着用感が好まれる。「ラルフ ローレン」以外では「チャップス」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「ノーティカ(NAUTICA)」なども、手頃な価格と使いやすいカラーで代替需要を獲得している。
春の全体傾向
商品面ではカットソーが好調で、スエットがイマイチ。今年の流れは気候とトレンドの変化などによるものと推測する。バンドTシャツを戦略的に販売するための十分な商品を確保、繁忙期に向けて販売店舗の拡大が好調に推移した。シーズン需要の切り替えとしてスエットからカットソーへの移行、その需要の切り替わりが早く売れ行きに変化あり。スエットは例年5月頃まで徐々に下降しながら売れていくものの、今年は4月以降想定よりも縮小した。
ファッション意欲の高い10代後半~20代前半のお客さまのトップスのサイズダウンが顕著。サイズ小さめを探す方、デザインよりも丈感やサイズ感を重視する方、サイズ小さいのが固まっている売り場はありますか?などの声が増えている。
30代、40代などの方はある程度スタイルが定着し、体格的な部分もあるため、サイズダウンが全ての年齢層に一気に広がるとは思えないが、近年の短丈人気、女性のコンパクトトップスなど、昨年よりも市場ではトレンド変化が見られる。
夏商戦の予測と取り組み
今年も全国的に高温傾向が続く中、猛暑日も増えると予測されており、消費者の方は買い物をするにも当然施設など涼しい場所を選ぶ傾向にあると考える。路面はまずは集客が課題で、客数を増やすためにセールを実施するお店も多いのではないかと推測。状況により地域内でのセールなどの対応は行いつつ、SC販路(催事含む)、EC販路も合わせて販売促進、「ウィゴー」の古着としては新規の方にまずは路面店舗の古着を認知してもらえるように取り組む。客層の変化(入れ替わり)も店頭で感じる部分があるので、改めて知ってもらうことが必要と考える。
夏の長期化も予測されているが、古着に関してはバリエーションが少ないため、中だるみしやすい時期の店頭鮮度をいかに作るか、端境期の対応、夏物消化のタイミング、秋の立ち上げに関しては慎重に取り組んでいく。
直近の夏商戦ではTシャツ、ポップアップなどの新規販路は積極的に獲得、路面店などでの販売促進を学生のお客さまが多い夏休み時期に行うなど、弊社特有の強みも合わせて行っていく。