ファッション
連載 エディターズレター:THE HUMAN 第23回

「ラルフ ローレン」が選んだ刺し子

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2027年春夏メンズ・ファッション・ウイークを現地取材しています。ミラノで発表した「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」は日本のデザインハウス「クオン(KUON)」、岩手・大槌町の女性職人による「サシコギャルズ(SASHIKO GALS)」と手を組み、東北の土着技術である刺し子をランウエイに持ち込みました。刺し子は、江戸期の寒冷地で麻布を重ねて糸を刺し、衣服を補強するために生まれた生活の知恵です。その手仕事を、「ラルフ ローレン」はワークウエアとしてではなく、タキシードシャツやボウタイと合わせた「ラルフ ローレン パープル レーベル」のイブニングウエアへと昇華させました。生活と労働のなかで育まれた補修の技が、最高峰のフォーマルの舞台へと引き上げられたことに驚きます。

ラグジュアリーブランドのコレクションには、日本の産地の服地が使われていることも実は少なくありません。ただしその事実が詳らかにならないこともあり、それゆえ日本のモノづくりは、欧米ブランドを陰で支える「下請け」のように語られがちでした。しかし今、その構図は変わりつつあることが、今季のメンズコレクションサーキット全体の顔ぶれにも表れています。今季の公式スケジュールを数えると、ミラノ・メンズ(6月19〜23日)には「セッチュウ(SETCHU)」「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」の2ブランド、パリ・メンズ(6月23〜28日)には「オーラリー(AURALEE)」「サカイ(SACAI)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」「ダブレット(DOUBLET)」「ターク(TAAKK)」「シュタイン(SSSTEIN)」など15ブランドがエントリー。両都市を合わせれば、17もの日本人デザイナーズブランドが名を連ねました。

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