毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年5月18日号からの抜粋です)
川上:村上編集長の号令で始動した今回の推し活特集ですが、コロナ禍以降、特にブランドのアンバサダー起用と、それに付随するファン消費の勢いは、とどまるところを知らないですね。
戸松:BTSのVがアンバサダーを務める「ユンス(YUNTH)」のポップアップ開催で、原宿のアットコスメトーキョーに大行列ができたり、ナンバーアイの3人がコラボキャンペーンを行った「YSL」のフレグランスが大ヒットしたり。推し活は、今の消費を語る上で外せません。
川上:そんな今の推し活シーンを代表するグループはどこか。メンバーカラーや充実のグッズなど令和のアイドルの先駆け的存在といえば、フルーツジッパーです。「表紙を飾ってもらいたい!」とアプローチしたところ、アリーナツアーの合間に撮影をさせていただけることに。撮影後にライブにも伺わせてもらいましたが、会場の皆さんが服もグッズも公式のものやメンバーカラーのものでそろえていて、購買の原動力としての威力を体感しました。
戸松:撮影は“NEW KAWAII”を根底にしつつ、モード感のあるスタイリングで攻めてみました。いつもの彼女たちとは違う一面を紹介できたのでは。マネジメントをする「カワイイラボ」の総合プロデューサー、木村ミサさんに取材もしましたが、彼女は本物のアイドル好き。ファンとしての熱量とプロデューサーとしての戦略のバランスがすばらしかったです。「わたしの一番かわいいところ」のヒットも、SNSでの拡散を狙った楽曲制作や振り付けなど、全部工夫された結果。ビジネスのヒントにもなると思います。
宝塚ファンの推し活に震えた
川上:ブランドのPRでプライベートでは推し活もしている3人による匿名座談会も盛り上がりましたよね。アンバサダーの起用の裏側や、フレンズとアンバサダーの違いなどのほか、PR視点の推し活の実情も興味深かったです。
戸松:プロ野球、宝塚、STARTO、K-POP、それぞれの界隈の推し活座談会も想像を超えていました。一番ディープなのは宝塚で、正直震えましたね。匿名でしか話せない、面白い話が満載です。
川上:推し活を取り巻く経済の循環は、今後もさらに広がっていきそう。推す側と推される側、双方の視点からひもとくことで、これからの“推し活戦略”のヒントが盛りだくさんです。