「バルマン(BALMAIN)」は11月12日、新たなクリエイティブ・ディレクターとして、アントナン・トロン(Antonin Tron)「アトライン(ATLEIN)」創業デザイナーを任命した。同氏は5日に退任したオリヴィエ・ルスタン前クリエイティブ・ディレクターの後任としてすでに着任しており、デビューは2026年3月にパリで披露する26-27年秋冬コレクションとなる。
トロン新クリエイティブ・ディレクターは、1984年フランス・パリ生まれ。2008年、著名デザイナーを数多く輩出してきたベルギーの名門校であるアントワープ王立芸術アカデミー(Royal Academy of Fine Arts Antwerp)を卒業。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」でメンズウエアの、「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でウィメンズの経験を積んだ。その後は「サンローラン(SAINT LAURENT)」のデザインチームで働き、16年に自身のブランド「アトライン」を設立。18年には、フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award)」でグランプリを受賞した。ジャージー素材などを使用した構築的かつセクシーなドレスなどを得意としているが、最近はテーラリングやアウターも手掛けている。今後は「バルマン」に専念するため、「アトライン」は25-26年秋冬シーズンにパリで発表したコレクションが最後となった。
親会社CEOとトロン新クリエイティブ・ディレクターのコメント
「バルマン」を擁するカタールの投資会社メイフーラ(MAYHOOLA)のラシッド・モハメド・ラシッド(Rachid Mohammed Rachid)最高経営責任者(CEO)兼バルマン会長は、「アントナンを『バルマン』に迎えることができ、とてもうれしく思う。彼のクラフツマンシップと芸術的感性に根ざしたデザインへの思慮深いアプローチはメゾンに大いに刺激を与え、マテオ(・スガルボッサCEO)とともに新たな、そして魅力的な未来へと導いてくれるだろう」と語った。
トロン新クリエイティブ・ディレクターは、「『バルマン』に加わることができ、とても光栄に思う。この素晴らしいメゾンを託してくれたラシッドとマテオに心から感謝している。また、『バルマン』を現在のグローバルブランドに成長させたオリヴィエにも感謝の念を表したい。インスピレーションに満ちあふれた歴史を持つこのメゾンは、サヴォアフェール(受け継がれる匠の技)、カルチャー、官能性、エレガンスを体現しており、正確かつ大胆で、光り輝くファッションを提供している。その素晴らしいレガシーの上に構築していく機会を与えられたことをとても名誉に思う」と述べた。