「H&M」は恒例のゲストデザイナーとの協業プロジェクトの一環として、「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」の元クリエイティブ・ディレクターであり、現在「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」を手掛けるグレン・マーティンス(Glenn Martens)とのコラボレーションコレクションを10月30日に発売する。ウィメンズ、メンズ、ユニセックス、アクセサリーを含む全57型を、「H&M」渋谷店・新宿店および公式オンラインストアで取り扱う。
コレクションでは、「H&M」の定番アイテムであるTシャツやチェックシャツ、ボンバージャケット、ジーンズなどをベースに、「Y/プロジェクト」時代と通じるデザイン手法を随所に取り入れた。代表的なのは、襟や裾などにワイヤーを通し、シルエットを自由自在に変形できるディテールだ。これをチェックシャツやボンバージャケット、トレンチコート、さらにはバッグなどにも用いている。
発売に先駆けて開かれたプレスカンファレンスでマーティンスは、「12年間『Y/プロジェクト』で追求してきたねじれの手法は、自分のデザインに染みついている。逆に、現在手掛けているブランドでは取り入れないと思う。そういう意味でも、ねじれのデザインをやるのはこれが最後だと思うと、このコレクションはとても特別なものだった」と話した。
ウィメンズのロングスリーブトップにはマーティンスのアーカイブニットをトロンプルイユで施し、チェック柄やタータン柄をアクセントに加えた。そのほか、透明のストラップを用いたタンクトップやドレス、スーパーハイブーツなど、マーティンスのシグネチャーデザインを楽しめる内容になっている。
キャンペーンビジュアルでは、ジョアンナ・ラムリー(Joanna Lumley)やリチャード・E・グラント(Richard E. Grant)ら、多彩なキャストが登場。家族写真にひねりを加えた演出で、コレクションに散りばめた英国の要素をユーモラスに表現した。
マーティンスは1983年ベルギー・ブルージュ生まれ。アントワープ王立芸術学院を首席で卒業後、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」でキャリアをスタート。2012年には自身の名を冠したウィメンズブランドをパリ・ファッション・ウイークで発表。13年には「Y/プロジェクト」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、11年間同職を務める。その後20年10月から「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクターを務める。25年に「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の新クリエイティブ・ディレクターにも就任した。