百貨店大手4社の9月度売上高は、全社が前年同月の実績を上回った。三越伊勢丹が7.2%増、高島屋が4.8%増、大丸松坂屋百貨店が3.6%増、阪急阪神百貨店が3.2%増だった。免税売上高の回復とともに、気温の低下に伴って秋物衣料が動いた。
三越伊勢丹の伊勢丹新宿本店は、外商招待会「丹青会」の開催日が9月にズレたため14.0%増と2ケタ成長だった。ラグジュアリーブランドがけん引した。伊勢丹新宿本店のイタリア展、三越日本橋本店のフランス展といった催事も集客に貢献した。
高島屋は一番店である大阪店が10.7%増だった。全体の免税売上高も2.7%増、免税を除いた売上高も4.6%増だった。気温の低下によって婦人服や紳士服も堅調に推移した。
大丸松坂屋は24年秋から大型改装を段階的に進めた松坂屋名古屋店が13.4%増だった。全体の免税売上高は11.8%増で、客単価は3.0%減だったものの客数が15.3%増になった。訪日客にはキャラクターグッズなどのIPコンテンツや化粧品が人気を集めた。
阪急阪神百貨店は旗艦店の阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)が大規模改装に伴う売り場閉鎖によって0.8%減で終わった。阪神梅田本店が阪神タイガースの優勝セールによって、22年の建て替え開業以来、最高の週間売上高を達成し、34.4%増となった。