香水大手インターパルファム(INTERPARFUMS)の仏子会社であるインターパルファムSA(INTERPARFUMS SA)は9月17日、2015年から傘下に擁する「ロシャス(ROCHAS)」のファッション部門を閉鎖し、同社の中核事業である高級フレグランスと化粧品の開発と流通に専念することを発表した。今年初めに発売した「オーダス(Audace)」など新作フレグランスの開発を進めつつ、代表作「オー ド ロシャス(Eau de Rochas)」の拡充を図る。
1925年創業の「ロシャス」は、大胆でフェミニンなシルエットとタイムレスなエレガンスで知られ、プレタポルテのコレクションとフレグランスの双方で国際的に高い評価を得てきた。ファッション事業の終了に伴い、アレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)=クリエイティブ・ディレクターは退任。3月に発表し、現在店頭に並ぶ25-26年秋冬コレクションが、最後のコレクションとなる。
フィリップ・ベナカン(Philippe Benacin)=インターパルファムSA会長兼最高経営責任者(CEO)は、「私たちが残すレガシーを誇りに思う。これまで支えてくださった全ての方に感謝したい。特に過去2年間クリエイティブ・ディレクターを務めたアレッサンドロ・ヴィジランテは、100年の歴史を持つこのメゾンの大胆なフェミニニティーとエレガンスというDNAを見事に表現してくれた」と述べた。
一方、ヴィジランテ=クリエイティブ・ディレクターは「この数年は、強烈で刺激に満ちた旅路だった。私たちは共に、本質や核心を失うことなく世界中の人々に届くビジョンを創り上げたことを誇りに思っている。それぞれのコレクションには私の一部が込められ、物語を紡ぎ、人々にインスピレーションを与えてきた」とコメント。「これからもファッションへの私の信念は変わらない。それは、女性たちと繋がり、彼女たちの望みを先取りすること、そして彼女たちを包み込むとともに守り、そのアイデンティティーを表現する服で寄り添い続けることだ」と続けた。
インターパルファムSAは「ロシャス」に加え、「ランバン(LANVIN)」のフレグランス事業と3月に買収したフレグランブランド「グタール(GOUTAL)」を保有しており、9月には初の自社ブランド「ソルフェリーノ パリ(SOLFERINO PARIS)」もローンチ予定。さらに、「ブシュロン(BOUCHERON)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「モンクレール(MONCLER)」「モンブラン(MONTBLANC)」「ラコステ(LACOSTE)」「コーチ(COACH)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」とライセンス契約を結び、フレグランスや化粧品の開発、製造、販売を手掛けている。また7月には、「ロンシャン(LONGCHAMP)」とフレグランス製品の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結。27年に初の製品を発売予定だ。