
カットソー生地メーカーのエイガールズは、福井の老舗縫製工場モンスターと提携する。モンスターは越前市に自社工場を持つ老舗の縫製工場で、祖業であるシャツを筆頭に、カットソーやボトムスも手掛け、丁寧な仕上がりで知られる。エイガールズは「ジェームス パース(JAMES PERSE)」を筆頭に、国内外の有力ブランドにカットソーの生地を供給しており、モンスターと組むことで製品納入も強化する。山下智広社長は「高い技術力を持つ縫製工場と組み製品で提案することで、ブランド側のテキスタイルへの解像度も上げられる」という。このほど東京で行った展示会でも、製品サンプルの生産は全量モンスターに委託した。
モンスターは1949年創業でタイにも工場を構える。日本の本社工場は社員数33人と小規模ながら、ホームページ上で全社員を写真付きで紹介したり、オリジナルのワークウエアブランドを立ち上げていたり、工場の空きスペースを利用してワークショップやオープンファクトリーイベントを行っている。海外の有力ブランドにも販路を持つエイガールズとタッグを組むことで、メード・イン・ジャパン製品の販売を拡大する。
エイガールズの2026-27年秋冬向けテキスタイルは、インドの超長綿であるスビン綿を使ったテキスタイルコレクション「ロータス(LOTUS)」に、S撚り(右撚り)とZ撚り(左撚り)の異なる撚りの糸を組み合わせて編み上げる「ロータス ハネ」シリーズを加える。撚り方向が反対の糸を組み合わせることで、斜行しにくくなり、生地の丈夫さも増す。「滑らかな手触りはそのままに、長く着用できるようにもなる」(山下装子副社長)という。
先行して展示会を行ったミラノとパリでは、独自紡績のウルトラファインの無染色キャメルや、芯にナイロン、周りにカシミヤを巻いたコアスパンヤーンを100番単糸の天竺、「ロータス」とシルクを組み居合わせた46ゲージのハイゲージコンパクト、スパイバーの「ブリュードプロテイン」を10%使ったテンセルの天竺が好評だったという。