ファッション

【ARISAK Labo vol.7】SNS総フォロワー約800万 ダンス動画で注目の“背中男”とは?

フォトアーティスト・ARISAKがファッション&ビューティ業界の多彩なクリエイターと共鳴し、新たなビジュアル表現を追求する連載【ARISAK Labo】。Vol.7となる今回のゲストは、SNS総フォロワー約800万人を誇る“背中男”ことginjiro。8月に韓国で行った撮影にはDJのAVERZI(アヴァジ)、アーティストのThe Quiett(ザ・クワイエット)、YongYong(ヨンヨン)ら豪華ゲストが参加し、シネマティックなムード漂うビジュアルに仕上がった。

“背中男”が韓国に迷い込んだら?
着想源はアノ映画

「映画や音楽からインスピレーションを得た今回の作品。別の星から来た“背中男”という人物が韓国に漂着して、色々な人に出会いながらも自分の星に帰っていくようなストーリー、そしてそのストーリーがレトロフューチャーな映画の世界で起きていたら、“背中男”はどんな見た目をしているのか、など考えを巡らせて生まれたのが今回のビジュアルです。どの作品からアイデアが生まれたのか、映画を見たことがある人はきっとわかるハズ」。

「衣装で使った『エムエーエスユー(MASU)』の2025-26年秋冬コレクション“20XX”や、『テンダーパーソン(TENDER PERSON)』のUFOのジャケットは、まさに今回のコンセプトにピッタリ。スタイリングは私自身が行ったのですが、ginjiroさんが“背中男”として積み上げてきたものを表現したくて、あえて前後ろ逆に衣装を着せてみたりーー。一見綺麗な写真に見えても、どこかに違和感やシュールさを感じられる要素を加えています。その“違和感”のポイントや、どんな作品がインスピレーション源になっているのかなど、作品を見て発見してもらえるとうれしいです」。

By ARISAK

Inside stories of
ginjiro × ARISAK

PROFILE: ginjiro/動画クリエイター

ginjiro/動画クリエイター
PROFILE: 兵庫県出身、4月27日生まれ。Instagram81万、TikTok340万、YouTube374万フォロワーを誇る動画クリエイター。あえて背中を見せるダンス動画が話題の、通称“背中男”

WWD:ARISAKさんとginjiroさん、お2人の出会いとは?

ginjiro:元々、僕がダンサーのRuuさんと一緒に撮影をしたいと思っていて。その時のリファレンスとして、ARISAKさんの作品をRuuさんに共有したんです。元々RuuさんがARISAKさんとお友だちということもあり、「ダメ元で撮影をお願いしてみよう!」ということでRuuさんに紹介してもらいました。とてもクールでアーティスティックな印象があったから、話す前は「僕なんかが話しても良い方なのだろうか……」と思っていましたが、実際に話してみるとこちら側に寄り添って、真剣に相談に乗ってくれる心強い方でうれしかったです。

ARISAK:私もginjiroさんも、初対面は強めに見られがちなタイプだと思うんです。私自身もginjiroさんとお打ち合わせをする前は少し身構えていました(笑)。実際に撮影をご一緒してみて、その振る舞いから誠実さや丁寧さを感じられたのが印象的です。ギャップの塊のような方だなと思いました。そして実はginjiroさん、アイスショー「リュクス」にも出演されていたんです。アイススケートという共通点もあって、打ち合わせや撮影での会話も弾みました。

WWD:レトロフューチャーな世界観の今回のビジュアル。撮影のテーマはどのように決めましたか?

ginjiro:僕自身が「韓国で撮影したい」という気持ちがあり、それをARISAKさんに伝えたところ、いろいろなテーマを提案してくれて。僕が色々口を挟むより、プロに任せた方が間違いないだろうと思って、ARISAKさんの提案のまま進めたいと思いました。そんな中でも「こんな感じはどうですか?」「どっちの方が良いですか?」など、こちら側の意見も聞いてくれたのもうれしかったです。僕自身も普段ソーシャルメディアで発信する立場なので、ARISAKさんの現場の仕切り方や空間の切り取り方もすごく勉強になりました。

ARISAK:クリエイターや出演者とディスカッションして行う撮影も好きですが、こちらをプロとして信頼し、任せてくれるのもうれしいです。ginjiroさんが気持ちよくこちら側のディレクションに委ねてくれたおかげで、とてもスムーズに撮影が進みました。韓国というあまり馴染みのない土地でロケをする中で、思い出になるようなアクシデントも起きたりして。日本でロケをするのとはまた違う感覚を味わえました。

WWD:韓国現地のスペシャルゲストとして、DJのAVERZIさん、The Quiettさん、YongYongさんも撮影に参加しています

ginjiro:YongYongちゃんは、ちょうどこの撮影の前に彼女の「BALENCIA (feat. ASH ISLAND)」という曲でコラボ撮影をしていて。現地で直前に飛び入り参加したような感じです。

ARISAK:ちょうど最近、Instagramで見ていたYongYongちゃんの動画が印象的で、今回一緒に作品を作れてとてもうれしかったです。彼女が最後に参加してくれたことで「ピースがそろった」という感じがしました。

ARISAK:AVERZIさんのことはずっとSNSでチェックしていて。今回DMして出演を依頼したんです。ファッション感がありつつ、アートを感じさせる存在。韓国でも注目のDJで、これから日本でも活躍するんじゃないかなって。

ARISAK:The Quiettさんは、過去にアルバムのジャケットを撮影したこともあり、“頼れる兄貴”のような存在。撮影の2日前に参加してくれることになり、まさかの「ベンツ」の車で登場。撮影にもこの車や、ご自身のスタジオを使用させてもらいました。ginjiroさんとゲスト3人、それぞれのキャラが活きるようにストーリーを調整しました。

ginjiro:今回は僕の“背中男”というキャラクターと「韓国で撮影したい」という気持ちから今回のストーリーになりましたが、次回は日本でやってみたい僕がこれまでコラボしてきた人たちと一緒にARISAKさんと撮影をしたら一体どんな作品になるんだろうって、とても楽しみです。

また、僕は頬骨が張っているのがコンプレックスなんですが、ARISAKさんは「そこがいいんですよ」って言ってくれて。これまで自分が隠したいと思っていたパーツに自信が持てるようになりました。

ARISAK:誰しも自分に対してのコンプレックスはあると思います。ginjiroさんも同じようにコンプレックスを抱えていたようですが、「ARISAKさんに撮ってもらうと、自分のコンプレックスが強みになる」って言ってくれたのがうれしかったです。

WWD:“背中男”らしいバックショットも多く見られました。ginjiroさんが後ろ姿でダンス発進を行い始めたきっかけとは?

ginjiro:昔はUSJやミュージカルで踊っていたのですが、コロナ禍にそういった現場での仕事がなくなったことをきっかけに、SNSでダンス動画をUPするように。“15秒でクスッと笑えるエンターテインメントを”というテーマを3年くらい前に決め、最初はトレンドのダンスを前向きで踊る動画を投稿し続けていました。でもやっていくうちに数字が伸びなくなってきて悩むようになり、そんな中でなんとなくBTSの「Dynamite」を後ろ姿で踊っている動画を投稿してみたら、知人から「面白かったよ!」と言ってもらえて。そこから可能性を感じて色々トライして、後ろ姿の投稿を続けるようになりました。

WWD:ginjiroさんは合計約800万人のフォロワーをお持ちですが、発信する時に意識していることは?

ginjiro:“海外の人でもわかりやすいもの”“誰も傷つけないもの”をずっと意識してきました。また色々な方とコラボして、“大人数で踊る”というのも僕のアカウントの強みだと思います。みなさんお忙しい方ばかりなので、「どうやったら相手の負担を減らせるかな?」「どうやったらコラボしたいと思ってもらえるかな?」と毎回考えながら次に活かす。そうしているうちに、人が人を呼んでさまざまな方にコラボしてもらえるようになりました。

WWD:それぞれ、今後チャレンジしてみたいことは?

ginjiro:フィジカル、デジタル上両方でで活動してきましたが、今後注力したいのは断然デジタル。ソーシャルメディアでの活動の幅をもっと広げていきたいですね。自分が発信するだけではなくて、アイドルやアーティストのコンテンツプロデュースにとてもやりがいを感じていて。「誰かをバズらせる」ということをもっとやっていきたいです。

ARISAK:今少しずつ韓国での仕事が増えてきたので、今後そこをもっと伸ばしていきたいですね。韓国の他、ロンドン、ニューヨークなどでも個展をしてみたい。これまで、韓国に足を運んで色々な人とコラボしてきた甲斐あり、少しずつ現地での自分の活動の土壌がつくられてきました。今後もあくまでも日本拠点なのは変わりませんが、他の国でも色々な活動の場を開拓していきたいと思っています。

CREDIT

DIRECITON, STYLING, PHOTOS:ARISAK
MODEL:GINJIRO
SPECIAL GUEST:AVERZI, YONGYONG, THE QUIETT
HAIR & MAKEUP:LEE EUNSEO(XOXOV3), LEE YEWON
SPECIAL THANKS:JI YOO(CherryDriver)
LOGO DESIGN:HIROKIHISAJIMA


LOOK1:Helmet¥280,000, Jacket¥85,000, Shirts¥48,000, Trousers¥140,000/MASU(03-6419-7028)
LOOK2:Tops¥30,000/MASU(03-6419-7028), Eyewear¥9,900/SZADE(szade.jp@gmail.com)
LOOK3:Jacket¥130,000, Pants¥64,000, Shirts¥36,000, Tie¥19,000, Glove¥24,000/TENDER PERSON(contact@tenderperson.com),Eyewear¥9,900/SZADE(szade.jp@gmail.com)

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