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「サンタ・マリア・ノヴェッラ」CEOに現「バレンシアガ」最高マーケティング責任者が就任

サンタ・マリア・ノヴェッラ(SANTA MARIA NOVELLA)」は、9月1日付で「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の最高マーケティング責任者(CMO)であるルディヴィーヌ・ポン(Ludivine Pont)を最高経営責任者(CEO)に任命した。

「バレンシアガ」「モンクレール」での実績

ポン氏は2021年から「バレンシアガ」のCMOを務め、デムナ(Demna)=アーティスティック・ディレクターと密接に連携しながら、同ブランドのグローバル展開とデジタル・イノベーションをけん引してきた。デムナは7月9日のクチュールショーをもって「バレンシアガ」での任期を終え、直後に「グッチ(GUCCI)」のアーティスティック・ディレクターに就任。ポン氏の退任は、「バレンシアガ」が大きな転換期を迎える中での動きとなる。デムナの後任には、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」前クリエイティブ・ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)が就任した。

ポン氏は「バレンシアガ」以前、16年に「モンクレール(MONCLER)」に入社し、グローバル・マーケティング&コミュニケーション・ディレクターとして活躍した。当時、レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini)会長兼CEOの下でブランドは大きく舵を切り、さまざまなクリエイターとコラボレーションするプロジェクト「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」を18年に始動。ピッチョーリやシモーン・ロシャ(Simone Rocha)、クレイグ・グリーン(Craig Green)らとのカプセルコレクションを展開し、ブランドの新たな成長戦略を実現した。「モンクレール」以前は「フィリップ プレイン(PHILIPP PLEIN)」のグローバル展開にも貢献している。

伝統と革新を担う新CEO グローバル展開の加速が責務

「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は1221年にイタリア・フィレンツェで創業し、“世界最古の薬局”とも称される。ポン氏は、ブランド独自の伝統と職人技を礎に、グローバル展開をさらに加速させる責務を担う。親会社イタルモビリアーレ(ITALMOBILIARE)のCEOであり、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」の会長でもあるカルロ・ペゼンティ(Carlo Pesenti)は、「ブランドの比類なき歴史は、イタリア文化に深く根ざし、ヨーロッパや世界へ香水文化が広まる中で築かれた。この遺産を守り、未来へと継承することが私たちの責任だ」と語る。ポン氏については、「深い専門知識や国際的な経験、戦略的ビジョンを兼ね備えている。『サンタ・マリア・ノヴェッラ』のグローバル成長に貢献し、ブランドの唯一無二の価値を尊重しながら、新たな推進力をもたらしてくれると確信している」と述べる。

ポン氏が着任するまでの間、ジャンピエロ・ペゼンティ(Giampiero Pesenti)ジェネラルマネージャーと現経営チームが引き続き運営を担う。なお、前CEOのジョヴァンナ・パオローニ(Giovanna Paoloni)は24年1月に就任したが、すでに退任している。

ポン氏は、「『サンタ・マリア・ノヴェッラ』のリーダーを任されることは大きな名誉であり、重大な責任だ。このメゾンは800年以上にわたる植物学と薬学の卓越した歴史を持つ。私はこの遺産を継承し、感性や美に語りかけ、時を超えたケア体験を創出していきたい」とコメントした。

「サンタ・マリア・ノヴェッラ」について

「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は現在、世界30カ国以上に進出し、400カ所以上の販売拠点を持つ。ペゼンティ家が所有する投資会社のイタルモビリアーレは20年に2度の取引を通じて同社の株式80%を取得し、投資総額は1億6000万ユーロ(約275億円)にのぼった。21年10月には残りの20%を推定4000万ユーロ(約68億円)で買収し、完全子会社化している。

イタルモビリアーレは以降、「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のグローバル展開と戦略的転換を支援してきた。「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は同社にとって香水・化粧品分野への初の投資だが、わずか3年で店舗数と売り上げを倍増させた。22年の売上高は前年比56%増の4600万ユーロ(約79億円)、23年には6000万ユーロ(約103億円)を突破した。

同ブランドは、香水や石けん、ポマード、スキンケア、コロン、キャンドルなど600種以上の製品を展開。クラシックなパッケージデザインを特徴とする。22年には、ブランド800年の歴史で初となるオードパルファン“アイリス”を発売した。

本文中の円換算レート:1ユーロ=172円

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