ファッション

「アンダーカバー」2015年春夏パリ かじり取られた真っ赤なチェリーが意味するもの

 ランウェイには人の背の高さほどある大きくて真っ赤なチェリーの置き物が並べられた。可愛らしいが、顔が彫られたり、部分的にかじり取られたりしていてシュール。それはまさに「アンダーカバー(UNDER COVER)」のダーク・ファンタジーの世界。「無垢から狂気へ」。デザイナーの高橋盾があげた今シーズンのキーワードだ。

 冒頭はピュアな白鳥のシーン。パステルカラーのチュールやシフォンを使ったチュチュのような甘いドレスは、白襟ならぬ黒襟をつけてピュアな中に一さじの毒を加えている。基本は短い丈のトップスと、ボリューミーなボトムスで作るフィット&フレアでガーリーに。ただし、コッパー色のサイクリングパンツなど、スポーツアイテムを絡めることでカワイイだけでは終わらせない。
 キーモチーフは鳥。ブラトップも鳥の羽根で覆い、ファンタジックだ。コートやバッグは透明なPVCのポケットにiPadミニを仕込み、鳥が羽ばたく映像を流している。

 後半に向けて、白鳥が黒鳥へ姿を変えるように、黒や赤を多用し強さを増していく。一遍の物語を紡ぐようなショーの展開は、観る者を「アンダーカバー」のダーク・ファンタジーの世界へと引き込んでいく。

 ボディペインティングのように全身に飾ったアクセサリーは、「アンブッシュ」のデザイナー、ユンが手がけたもの。彼女がデッサンから起こした花もまた、ピンクで可愛らしいが近くで見ると食虫植物のようで少しグロテスクだ。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

訪日客100人に直撃「買ったもの教えて下さい」& インバウンド比率9割!も インバウンド人気店舗FILE

「WWDJAPAN」5月20日号は、円安でバブル化している「インバウンド特集」です。銀座、原宿・表参道、心斎橋での訪日客57組106人への突撃インタビューに加え、インバウンドで好調な12の店舗・ブランドを、インバウンド比率や好調アイテム/ブランドとともに紹介した「インバウンドで売れる店FILE」も収録。新しいインバウンド消費の内実を追いました。中国や韓国、米国などのインバウンド消費の上位国からスウ…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。