1. 「ダイエットブッチャー」のインスタイルグループ加入の真相を両社に直撃

「ダイエットブッチャー」のインスタイルグループ加入の真相を両社に直撃

インタビュー

2018/2/16 (FRI) 13:00
西村豪庸インスタイルCEO(左)と深民尚「ダイエットブッチャースリムスキン」デザイナー

 日本のメンズブランド「ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN以下、ダイエットブッチャー)」は、飲食、コスメ、芸能などの事業を展開するインスタイル(INSTYLE)グループに加入した。これに伴い、同ブランドの運営会社メタルバーガーは社名をブランド名に変更。中目黒と名古屋にある直営店ヴェノム(VENOM)もブランド名に変更し、統一した。さらに、インスタイルの全額出資で青山に新店舗DBSS青山をオープンし、月額8万5500円のレンタルサービスも4月1日に開始する予定だ。“音楽”をルーツに20年以上続いてきた「ダイエットブッチャー」がなぜ、“超高額な”レンタルサービスを開始したのか?インスタイルグループとはどういった企業なのか?深民尚「ダイエットブッチャー」デザイナーと西村豪庸インスタイルCEOの2人にグループ加入の経緯やブランドの今後を聞いた。

WWD:まず、インスタイルグループとはどういった企業か?

西村豪庸インスタイルCEO(以下、西村):インスタイルグループは、コンサルティング中心の企業です。IT、システム開発、美容、芸能、飲食、広告代理店……。あげたらきりがないですが、とにかくいろいろとやっているカオスな企業です(笑)。

WWD:そういった中、「ダイエットブッチャー」をグループ傘下に収めた経緯は?

西村:いろいろな事業を手掛けてはいますが、アパレル部門はまだ未着手でした。そんな時に民さん(深民尚デザイナー)からお話をいただきました。

深民尚「ダイエットブッチャー」デザイナー(以下、深民):もともと共通の知り合いがいて、服、音楽など共通の趣味を持っていることもあり西村さんとはよく食事をしていました。そうして話していく中で、「ダイエットブッチャー」の弱点や、自分たちが持っていないものを持っているなと思い、私からグループ加入の話をしました。

WWD:改めて、深民デザイナーの考える「ダイエットブッチャー」の強み、弱みとは?

深民:音楽の要素がデザインに入っているため、音楽好きな方への影響力は強いのかな、と思っています。実際にミュージシャンの方が商品を買ってくれたり、ライブの衣装に使ってくれたり。でも、とにかくECが弱かった。がむしゃらに服を作って展示会で見せる、という形でした。音楽的に言えば、小箱でのライブはいっぱいできるけど、アリーナクラスでは演奏できないような状態(笑)。さらに飛躍するためにECのシステム開発などもやられている西村さんにお願いしようと思ったんです。

WWD:グループ加入に抵抗はなかった?

深民:特になかったですね。それよりも、もっとクリエイションに集中して「ダイエットブッチャー」の世界観を広げたいという気持ちが大きかったです。会社の社長としてビジネスで頭を悩ませることも多かったので。

西村:民さんはアーティストなんですよ。芸能事務所と取引していて思うのですが、アーティストの方に金勘定ははっきり言って無理。僕がビジネスの面で支えて、民さんがアーティストとして活動できればよりブランドも大きくできると思っています。

WWD:今回のグループ加入に伴い、「ダイエットブッチャー」の社内体制は変わるのか?

深民:社名や中目黒、名古屋の店舗名を変更しましたが、他は大きくは変わらないですね。生産管理、プレス、営業なども以前のままです。

西村:ただ、ECの構築などはうちのグループが担当します。社名や店舗名の変更は、全体的に分かりやすくするためにブランド名と統一しました。

WWD:今回新たに出店したDBSS青山について。青山に出店した理由は?

西村:中目黒で細々とやっても花火にならないじゃないですか。青山の骨董通りでビルの1、2階をぶち抜いた店舗の方がインパクトもあるし、知名度も圧倒的に広まる。

深民:インスタイルグループに加入した時にはそこまで変わった気はしなかったのですが、DBSS青山ができてはっきり「変わったな」と感じています。

READ MORE 1 / 1 中見出し:“超高額”レンタルサービスの真相

WWD:月額8万5500円というかなり高額なレンタルサービスも発表したが、反響は?

深民:ECもレンタルサービスも、実際に開始するのは4月1日からなのですが、メンズ服では珍しいのか、かなり問い合わせが来ています。実はこのレンタルサービスも僕がグループ加入を決めた理由の一つなんです。西村さんから話を聞いた時に新しい商売だな、と感じたのを覚えています。

西村:興味を持ってくれてよかったです。普通だったら「え?」みたいな感じでアレルギー的な反応を起こす方もいると思っていたので。

WWD:レンタルサービスはDBSSのみで行う?

西村:店舗とECですね。ただ、販売員がパーソナルスタイリストとしていろいろとアドバイスするので、店舗の方が便利だとは思います。レンタルの在庫ははじめは販売在庫から割り当てていく予定です。

WWD:レンタルサービス導入で困難に感じていることは?

西村:あまりないですね。飲食などで高級業態のサブスクリプションサービスは継続的にやっているので。アパレルに関してはここまで高額なものを手掛けるのは個人的に今回が初です。

深民:「ダイエットブッチャー」の客層は20~30代の方が中心ですが、今回のサービスはかなり高額なこともあり、新しい客層になるかもしれませんね。

WWD:新しい客層に向け、デザインも変わっていく?

深民:どうだろう……。変わるかもしれませんね。でも、ブランドとしてのコアは変わらないし、変わるつもりもない。

西村:いずれは青山店限定の商品なんかは作っていきたいですね。

WWD:DBSS青山をいずれどうしていきたい?

西村:いずれはビルの上のフロアも店舗にして、ヘアサロンを開きたいですね。レンタルサービスと絡めて、DBSS青山に来たら服も髪型も全てガラッと変わることができるようにしたいです。

WWD:「ダイエットブッチャー」の今後の売り上げ目標は?

西村:5年後には桁を1つ増やしたいですね。そのためにはまず来年までに2倍にするつもりです。インスタイルグループは、コンサルティングする会社を1業態1社と決め、その会社を業界ナンバー1にする。よく言っていることなんですが、個人的に一万円札は投票用紙だと思うんですよね。実際には1万円のものでも3万円の価値があると認められれば得票数は自ずと増えていく。今回のレンタルサービスも8万5500円で、30万円とかの価値があるとお客さんが考えれば利用する人は必ず増える。インスタイルグループと「ダイエットブッチャー」、双方がいい意味でインスパイアし合って価格以上の価値を出していけたらな、と思っています。

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