ドン・キホーテがアメカジとアスレジャーのPB強化、スケールメリットで“驚安”実現

企業動向

2017/7/29 (SAT) 08:00

 「驚安の殿堂」のキャッチフレーズや、大量の商品が渦高く積まれ所狭しと並ぶ「圧縮陳列」などで知られるドン・キホーテが、ファッション分野の本格的な攻略に乗り出しています。これまでもインナーやレッグウエア、ルームウエア、ブランドものの並行輸入品、さらには、ハロウィンやパーティーなどに使うコスプレ的な衣装などを中心に扱い、ファッション系アイテムの売上高構成比は、グループで22.5%となっています。さらに規模を拡大するために品ぞろえを強化しているのが、アメカジ系のファッションブランド「レストレーション(RESTORATION)」とスポーツ系の「アクティブギア(ACTIVEGEAR)」という、2つのPB(プライベートブランド)です。

 ドンキのPBといえば、最近では4Kの50型テレビを発売して大ヒットとなり注目を集めていますが、これまでは「情熱価格」という名称でコモディティ(実用衣料)系の衣料雑貨や生活雑貨、食料品などを扱ってきました。ブランド名を際立たせて打ち出すものとしては、今回のPBがほぼ初めてとなります。トレンドやライフスタイルを意識した、トータルブランドとして育成していく意気込みを表明しているように感じます。

 PB開発の責任者としてプロジェクトを率いるのは、ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)出身で、UA内で初めて本格的なSPA業態として「グリーンレーベルリラクシング(GREEN LABEL RERAXING)」を立ち上げから手掛けた、小田切正一さんです。50歳になるのを機に独立され、ブランド開発やマーケティングなどを業容として活動されていたところ、大原(孝治ドンキホーテホールディングス)社長兼CEOから「ドンキでセレクトショップを作りたいので協力してほしい」とラブコールを受けて事業に参画。今はドンキホーテホールディングス・リテール・マネジメント取締役兼ドン・キホーテSPA開発本部本部長に就かれています。

 小田切さんはまず、ドン・キホーテのファッション・フィロソフィーを策定しました。その内容を咀嚼してみると、まず、前提として「欲しいものがあれば、出歩かなくても手軽にインターネットで検索し、比較し、あらゆるものが買える時代。しかも、ファッション業界からは、『トレンドの変化がない』『大きなトレンドがない』『天候が悪い』など売れない理由だけが聞こえてきます。モノが売れない飽和状態の中、ドン・キホーテがファッションを強化し、お客さまに提供したいものは何か?」を徹底的に考えたとのこと。そして、「ドン・キホーテは大衆芸能だ!」という答えにたどり着くのでした。「われわれドン・キホーテは、多くの人が笑い、楽しみ、安らぐ場。型にはまらず、破天荒さが面白いと評価されている。だからこそ、ファッションも型にはまったトレンドではなく、“着る人の気持ちに寄り添った服作り”にしようと。有機野菜ではないけれど、作る人の気持ちが宿った服作り。気楽に、肩ひじ張らず、自由に、楽しいファッションを。落ち込んだら、元気が出る服。頑張りたいとき、パワーが出る服。そこには、ワクワク・ドキドキが服に宿っているから実現できる。『これでいい』では実現しない、『これが良い!』と言われる服を目指す」というのです。さらに、「われわれのファッションは、等身大のファッション。服が、身に着けるものから装うものから、心を満たすものに変わり、衣食住全てのものにそれを求めるようになった成熟社会。心を満たす価値観はプライスレス。高いとか安いとかではなく、消費者が欲しいものを自ら探し、欲しいものを手に入れる。SNSでシェアされたものが、心のひだに触れた途端、物欲に変わり、消費に走る。そういう時代に求められる服。それが、ドン・キホーテのファッションです」というわけです。

 肝心のPBですが、「レストレーション」は それまでシューズブランドとして展開していたものを、2015年9月からアパレルを加えてトータルブランド化を進めているものです。「上質でほど良いトレンド感があるライフスタイル提案ブランド」をコンセプトに、ベーシックとビジカジライン、サーフラインで構成するメンズ向けのアメカジ系ブランド。メインターゲットは20~40代の男性で、「セレクトショップなどのファッションが好き」「ファッションに興味があるけれどもお金をかけたくない層、あるいは、かけられない層」「トレンドの服を着たいけれども何を買ったらいいか分からない層」だという。スタイルイメージとしては、「ポパイ」「オーシャンズ」「サファリ」「レオン」「ビター」などを挙げています。ちなみに、やけにオシャレな「レストレーション」のカタログやビジュアルにも、セレクトショップ出身の小田切さんのDNAを感じさせられます。

 一方の「アクティブギア」は “アクティブ・ユアセルフ”をブランドメッセージに、「ファッション性と機能性を兼ね備えた商品で、アクティブシーンでの用途提案を行うスポーツファッション&雑貨ブランド」です。ランニング時のイヤホンなどのグッズを皮切りにスタート。17年春夏にウエアを投入。今後は徐々にカテゴリーを拡大し、(1)アウトドア系のウエア、グッズ、家電、トレッキングシューズ、(2)トレーニング用の機能性インナーやウエア、ランニングシューズ、(3)エクストリーム系(横乗り系ボードカルチャー)などのテイストを盛り込んだウエアやバック類、(4)タウンユース用の機能性カジュアルウエアやシューズ、バック類などを展開する。品番数は昨秋冬の11品番、今春夏の36品番から、今秋冬には64品番、18年春夏には100品番超へと広げていく途中です。今秋にはウィメンズの取り扱いもスタートします。アスレジャーやグランピング、ヨガやランニングなど、スポーツ用途やタウンユースもできるスポーツウエアのマーケットは数少ない優良カテゴリーでもあり、成長が期待されます。

 両ブランドとも、大きな魅力の一つが「価格」であることは間違いありません。例えば「レストレーション」はトップス998~2990円、アウター2990~1万2900円、ジャケット3990~5990円、ダウン7900円、ボトムス1990~3990円、シューズで1990円など、セレクトショップと同じ感度で、半額~3分の1程度の価格となっており、「このツラ(見え方)でこの価格!」という“驚安”を実現しています。それが実現可能なのは、グループで国内352店舗を展開する中で、「レストレーション」は300店舗、「アクティブギア」は307店舗で取り扱っており、スタート時からスケールメリットが十分あるからです。ちなみに、最近、「オートバックス」のライフスタイルグッズの本格的な取り扱い開始に続き、「ニトリ」のアパレル参入のウワサも聞こえてきます。小田切さんは、「すでに店舗網を全国に持ち、人々の生活に根差している“第3勢力”の動向は注目しておいたほうがいいですよ。うちも含めて」といたずらっぽく笑います。21年度に2ブランドで目標とする売上高100億円突破ができるかどうか。まずは、8月後半の秋の立ち上がりをチェックしに行かなくっちゃですね。

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