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「パリコレ学」に2期連続で出演した門田怜が自力でパリコレに挑戦 その理由とこれからを聞く

 モデルの大舞台、パリ・ファッション・ウイーク(以下、パリコレ)に今季、人知れず自力で挑戦した16歳の日本人モデルがいた。毎日放送制作・TBS系列のTV番組「林先生の初耳学」内のコーナー「アンミカ先生が教えるパリコレ学(以下、パリコレ学)」に出演した門田怜だ。「パリコレ学」はパリコレに挑戦するというたった1枚の切符を懸けて、学院生と呼ばれるモデルの卵たちが元パリコレモデルのアンミカの指導の下、切磋琢磨する模様を約半年にわたって追う人気企画で、2018年からスタートした同コーナーに門田は1期生として参加していた。

 1期では惜しくもパリコレへの切符は逃したものの、番組に手紙を書いて思いを伝え、19年にスタートした同企画のシーズン2である「パリコレ学2」に再び参加を果たした。努力家で誰よりもパリコレへの執念を見せた彼女だが、10月27日の放送回で選ばれたのは、彼女ではなかった。そこで門田がとった行動とは、番組としてではなく単独・自費でパリコレに挑戦するという決断だ。番組に選ばれた平田かのんがパリコレで活躍した模様は11月3日の放送で視聴者に届けられたが、その裏で努力を重ねた門田は、世界的なモデルの基準で言えば身長が比較的低いというハンデがありながら現地のモデル事務所の面接をいくつか受けることに成功し、非公式スケジュールではあるがドイツの老舗ジュエリーブランド「グロッセ(GROSSE)」のショーに、アジア人枠は1人しかない中で出演を果たした。そんな彼女にパリコレに単独で挑戦した理由やこれからを聞いた。

WWD:パリコレ学で選ばれなくても単独でパリコレに行くことは最初から決めていた?

門田怜(以下、門田):もちろんパリコレ学で行くぞという気持ちはありました。でも次のシーズンからパリコレでは18歳以下のモデルが起用されにくくなるので、私が18歳になるのを待ってからではその期間を無駄にしてしまうと思い、どんな形になっても行ったほうがいいと思って行きました。

WWD:実際行ってみて、パリコレの厳しさを感じたか?

門田:はい、まず身長の面でなかなか現地の事務所に会わせてもらえませんでした。事務所に入れないとショーにも行けないので……。私の身長は174cmですが、一応175〜176cmがファッションショーに出るためにマストな身長の目安なんだそうです。もちろん身長だけが全てではないので、面接に行くことができた事務所もいくつかありましたが、世界を舞台にすると身長だけで相手にされなかったりするので、それが悔しかったです。

WWD:世界の壁は厳しいですね。他に難しいと感じたことは?

門田:パリに行くのはすごくお金がかかることなので、ショーにたくさん出てその費用を自分で稼がないといけません。周りに迷惑をかけないように、お金の面で自立することが難しいと思いました。

WWD:渡航費や滞在費は自費でまかなった?家族は同行したのですか?

門田:はい、自費というよりは母のお金になってしまうのですが、でもこれは母に借りた形で、今後ちゃんと返していこうと思っています。滞在は2週間ほどで、母も一緒に行きました。一人で行こうと思ったのですが、未成年だとやはりパリは安全面などで厳しいところが多くて。

WWD:お母さんは門田さんをよくサポートしてくれているのですね。

門田:はい、母も元モデルで東コレなどにも出ていたので、そのへんの厳しさをよく分かっていると思います。厳しい状況の中で甘い言葉をかけてくれるというより、「頑張りなさい」と言われたりします。少し突き放したようにも聞こえたりするのですが、励みになっています。

WWD:モデルを志したのは、お母さんの影響?お母さんからはモデルになることを期待されていたのですか?

門田:いえ、子どもの頃からモデルになりたいとは思っていたのですが、幼いころは体ががっしりしていてモデルという感じではなかったので、母に最近「将来モデルになりたいと言ったら全力で止めようと思っていた」と言われてショックでした(笑)。モデルを志したのは母の影響というより、使命感というか、惹かれるものがあったからです。

WWD:実際にパリコレのオーディションに行ってみてどうでした?

門田:モデルは本当にみんなコレクションに出たくて、その日を勝負と思って来ているので、そのエネルギーや、スタッフさんのエネルギーを感じて、現場の真剣さが伝わってきました。冷たい態度に悲しくなるときもありましたが、それは仕事に対しての真剣さからと理解しました。オーディション自体は何十秒で終わってしまうのですが、歩いているときにいかに集中できるかが重要なんだなと後になって思いました。モデルはみんなそれぞれエネルギーを持っているので、その強さ、濃さを伝えられないといけないなと思いました。

WWD:「グロッセ」のショーに出演しましたが、オーディションで受かるために意識したことやアピールしたことがあれば教えてください。

門田:きちんと挨拶をして、意志をしっかり持つことです。「グロッセ」のスタッフの方にも、目や私自身から強い意志が伝わってきたと言われました。

WWD:合格したと聞いたときはどんな気持ちでしたか?

門田:ショーに出るのが夢だったので本当にうれしくて、次の日くらいまで信じられないという気持ちでした。

WWD:ショー自体に出るのは初めて?

門田:その前に2019-20年秋冬の東コレで「サポート サーフェス(SUPPORT SURFACE)」と「アクオド バイ チャヌ(ACUOD BY CHANU)」のショーに出演させていただきました。でもパリは世界一のファッションの街でずっと憧れていた場所なので、気持ち的にはとても大きかったです。

WWD:札幌出身とのことですが、今後拠点は東京に?

門田:今札幌の高校に通っているのですが、せっか東京の事務所(イマージュ)に所属できたので、正直なところ札幌にいてはもったいないと思っています。家族とも相談して東京の高校に編入することなども考えています。

WWD:高校卒業を待ってからではなく、今東京に出たい理由は?

門田:常に自分のベストを尽くしたいので、高校を卒業するまでの2年間を無駄にしていたら、せっかく将来の夢であるモデルの道が開けてきたのに、将来の夢を見つける高校で夢をつぶしたら意味ないなと思っています。今のうちから自分の夢を追って頑張りたいと思います。

WWD:こうなりたいと思うモデルは?

門田:冨永愛さんです。冨永さんの姿を見ているとやっぱり胸に迫るものがあって、私もそのようになりたいと思っています。番組で冨永さんから「その年齢でその表現力があるというのは才能だと思う」と言っていただけたことは、すごくうれしかったです。

WWD:好きなブランドや好きなスタイルがあれば教えてください。

門田:ブランドは「シャネル(CHANEL)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「サンローラン(SAINTLAURENT)」などが憧れで、将来こうしたブランドのランウエイを歩いたり、着させていただけるようなモデルになりたいです。普段は、黒や白でまとめたスタイルが好きで、ストリート系も着ます。

WWD:今後、モデルとしての目標は?

門田:将来は撮影やショーで世界を駆け巡るようなモデルになりたいです。そうなるためにはまず日本でキャリアを積んで、日本で1番と言われるくらいのモデルにならないといけないと思っています。