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帝人がサステナ素材を強化 高機能リサイクル繊維で勝負

 帝人フロンティアは6月6日、環境配慮型素材を求める市場の高まりを受けて、新たな定番品としてコットン調リサイクルポリエステル高機能素材“アスティ(ASTY)”を発表した。2020-21年秋冬向けから供給する。初年度は丸編みニット地から始めて20万m、3年後にはスエット地や織物などバリエーションを広げて100万mの販売を計画する。

 “アスティ”の最大の特徴は限りなくコットンに近い見た目と風合いを実現した点にある。凹凸のある表面と滑らかな触感を実現。加えて、吸汗速乾性、耐久性、防透け性、紫外線カットの機能を持たせた。

 尾形暢亮・技術・生産本部技術開発部機能テキスタイル開発課長は「これまでポリエステルの長繊維では、ランダムなスパン調の質感を表現するのは非常に難しかった。“アスティ”はコットンのような風合いと機能性、環境負荷軽減に対応した商品だ」と胸を張る。また「現在はリサイクルポリエステル繊維を用いているが、今後は植物由来の繊維や生分解性繊維でも応用ができる」という。

 同社は環境配慮型の素材に力を入れており、展示会に並ぶ7~8割の生地が環境配慮型の生地だが、その販売額は全体の半分以下でそのほとんどが欧米向けだ。

 今でこそ環境配慮型の生地が多く並ぶが、「3~4年前くらいからアウトドアブランドを中心に、マイクロプラスチック問題に対応した生地など環境配慮型素材のリクエストはあった。しかし、それに対応しきれていなかった」という。マイクロプラスチックの海洋問題については、「現在国際的な基準がないが、基準ができれば一気に風向きは変わるだろう」という。同社は起毛素材ではなく、かさ高で保温性の高い素材開発に力を入れており、すでに展示会ではフリースの代替素材になるような生地も並んでいる。今回提案した素材の多くは、リクエストによってはリサイクルポリエステルへの代替が可能な機能素材だ。また、加工においても環境に配慮したフッ素フリーのはっ水加工や、メタルフリーの抗菌加工を用いている。

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