ファッション

「アメリカンラグシー」が日本で復活 伊藤忠と提携 コロネットが運営

 「アメリカンラグシー(AMERICAN RAG CIE)」が日本に復活する。1984年に創業し、85年にラ・ブレア通りにストアを構えたロサンゼルス発のライフスタイル提案型セレクトショップで、マーク・ワーツ(Mark Werts)創業者兼CEOが率いる米インダストリーワーツ社と伊藤忠商事が9月1日に日本におけるマスターライセンシー契約を、コロネットが独占のサブライセンシー契約を締結。9月から再始動に向けて準備を開始し、10月からEC先行で事業を行っていた。

 このほど来日したワーツCEOは「WWDジャパン」の取材に対し、開口一番、「われわれがロサンゼルスのラ・ブレア通りの店で常時8万SKUもの商品をそろえているのは、お金や商売のためではない。ラブ&パッション(愛と情熱)がすべてだ」と語る。

 さらに、「ECが台頭する時代において、小売りはエンターテインメントそのものでなければならない。小さな店を複数展開するのではなく、お客さまがわざわざ来てくれる理由となる実験場、あるいは、エンターテインメントセンターとも呼べる大型の旗艦店を構え、リアル店舗とECを共に推進することが必要不可欠だ。また、商品も店も働いている人々もすべてがハッピーでなければならない。伊藤忠はわれわれのビジョンを理解し共有してくれた」と、伊藤忠をパートナーに選んだ理由を説明する。

 当面はECを中心に展開し将来的には、東京、大阪、福岡など、大都市に4店舗程度を出店したい考え。JRのターミナルに近い、倉庫跡地などに興味があるという。

 「アメリカンラグシー」は現在、本店であるロサンゼルスのラ・ブレア通り店に加え、香港とドバイに店舗を展開する。特にドバイには、現地のコングロマリット、AW ロストマニ(AW ROSTAMANI)と提携して2018年末に新店舗をオープンした。売り場面積が900平方メートル以上、天井高が20メートル以上ある大空間に最先端のテクノロジーを導入。試着室には商品タグをブルートゥースで読み取り、色違いなどをバーチャルフィッティングできる「アクティ・ミラー」を、店頭には4アクション・6カ国語(英語、北京語、広東語、アラビア語、ロシア語など)を操り、顔認証により顧客の言語や購買履歴なども記憶している日本製の人型ロボット“ペッパー”を配した。ほかにもナイトクラブ仕様のサウンドシステムやバーチャルディスプレー、人々の交流の場として、50~60種類のコーヒーを用意した「ワールド・カフェ・バー」も併設している。

 現在、中国、インド、サウジアラビアで出店計画が進んでおり、こうした最先端テクノロジーは米国の旗艦店や、将来オープン予定の日本の旗艦店にも持ち込みたい考えだ。

松下久美:「日本繊維新聞」の小売り・流通記者、「WWDジャパン」の編集記者、デスク、シニアエディターとして、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのグローバルSPA企業や、アダストリア、ストライプインターナショナル、バロックジャパンリミテッド、マッシュホールディングスなどの国内有力小売企業、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」を筆頭としたセレクトショップの他、百貨店やファッションビルもカバー。TGCの愛称で知られる「東京ガールズコレクション」の特別番組では解説を担当。2017年に独立。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)

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