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LDHアパレルのトップが打ち出す“誰かのための服”「フォーサムワン」

 EXILEや三代目J Soul Brothersなどが所属するLDHのアパレル部門、LDHアパレル(LDH apparel)の小川哲史・社長が自ら手掛けるブランド「フォーサムワン(FORSOMEONE)」が今秋冬シーズンから本格始動した。ストリートウエアをラグジュアリーにアップデートしたジェンダーレスなデザインが特徴で、30歳代以上の男性をメーンターゲットに年に2回コレクションを発表する。LDHアパレルと言えば、12月にEXILEや三代目JSBのパフォーマーでもあるNAOTOの手掛ける「スタジオ セブン(STUDIO SEVEN)」が中目黒に路面店を出店するなど着実に存在感を増している。小川社長にブランド立ち上げの経緯やLDHアパレルについて聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):「フォーサムワン」の立ち上げ経緯は?

小川哲史・社長(以下:小川):僕は元々、コスチュームデザイナーとしてアーティストの衣装などを作っていて、メンバーのリハーサルウエアなどからスタートした「24カラッツ(24KARATS)」などを立ち上げました。LDHに所属するアーティストのパフォーマンスはかなり動きが激しいし、そういう彼らの動きに対応するための服作りの経験やノウハウみたいなものが自分の中にだんだん蓄積されてきて、それを既製服に落とし込んでみたいと思うようになったんです。そういう服は着る人のメリットにもなるのかなと思います。それでブランドを始めようという流れになりました。

WWD:「フォーサムワン」というブランド名は?

小川:基本的にパフォーマンスの衣装を作ってきたので、誰か個人のための服であって、オーダーメードみたいな感覚でした。そういう思いから「誰かのために」という意味で「フォーサムワン」と名付けました。

WWD:小川社長自身が実際に過去にダンスをしていたが、その経験が服作りに生かされていると感じることは?

小川:それはあるかも知れません。もちろん、可動域を広げる服の作り方や素材はたくさんありますが、ダンスを自分でしていたからこそ、規則性のないダンサーの複雑な動きに対応するための洋服が感覚で分かるのだと思います。それに僕がやっていたダンスがヒップホップだったので、そういうカルチャー的な部分の理解もあるというのは大きいですね。

WWD:LDHグループだからこそできる強みは?

小川:発信力のあるアーティストが側にいることでしょうか。ファミリーなので、ちゃんと話して一緒に仕事をすれば相乗効果を得られます。ただ、広告塔としてではなく、チーム内に発信力のあるクリエイティブな人がいるイメージと考えています。

WWD:「24カラッツ」はリハーサルウエアからスタートしたが、今もブランドにストーリーは必要だと思うか?

小川:そうですね。僕たちも元々ヒップホップというカルチャーやファッションスタイルを10代の頃からかっこいいと思ってやってきました。ストリートファッションが原点です。ビジネス自体も、金もうけを目的に始めるというよりはファンに喜んでもらうためにはどうしたらいいか、というところからスタートしています。今でこそLDHアパレルにはたくさんのブランドがありますが、やみくもに増えたというよりは、誰かがこういうブランドをやりたいだとか、誰かが必要としているからこういうブランドを始めようとか、人ありきで考えています。例えば「24カラッツ」の場合は当時、メンバーそれぞれのリハーサルウエアがバラバラだったのですが、(EXILE)HIROさんがそれだと士気が上がらないとおっしゃって、全員共通のジャージを作ろうということになりました。ブランド化するにあたり、彼らのバックボーンをベースにしたコンセプトを考え、リハーサルウエアとして「24カラッツ」をスタートしました。その後HIROさんのアイデアで楽曲にして表現することになり、衣装のレプリカを販売したらファンに喜んでもらえるのでないかとブランド化することになりました。

WWD:ブランドも増えてきたが、今後のLDHアパレルの展望は?

小川:これまでも誰かがこういうブランドをやりたいという夢に対して投資してきて、それを売るためにどうすればいいか、という考え方でした。熱量の高い人たちが多いので、極端な言い方だと売れなくても辞めない。本人が諦めないうちは、その許容範囲の中であればサポートしていきます。それが結果的にファンに喜んでもらえることだと思うので、その方針はこれからも変わらないと思います。