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デサントがスポーツウエアの研究開発拠点 大阪・茨木に35億円投じて新設

 デサントは18日、大阪・茨木市に新設したアパレル研究開発拠点「DISC(DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEX)」を関係者に公開した。

 緑に囲まれた約2万2000平方メートルの敷地に、総投資額約35億円をかけて新築されたDISCは、2階建てで延床面積は約4400平方メートル。全天候型の100mトラックや人の動作を測定できる「スポーツパフォーマンススタジオ」、水の抵抗の低い素材を研究する小型回流水槽などを有する「スポーツサイエンスラボ」、60mの高さから雨を制御して均一に降らせられる「人工降雨室」、企画したデザインをすぐにサンプルにして検証を行い自社工場とデータを共有できる「プロダクションスタジオ」など、最先端の機器と設備を導入した。

 中でもユニークなのは、マイナス30度から60度まで温度と湿度をコントロールできる「クライマート(人工気象室)」。人体にとことん近づけることにこだわり、同社の独自技術で実現した。人のように汗をかくサーマル発汗マネキンや、人の肌を再現したスキンモデルを使用し、人体に近い環境での快適性を測定できる。

 R&Dセンターの坪内敬治・部長は「アイデアをすぐに形にして、すぐに検証できる。その結果、開発の価値とスピード、ボリュームを上げることができる場になる。社内と社外の共創空間にしていきたい」と話す。スタート時点の従業員数は31人だが、近い将来50人に増員し、陸上競技や各種の球技、水泳、スキー、登山まで幅広いスポーツウエアの開発を行う。

 デサントは中期経営計画で「モノを創る力」の向上を重点戦略に掲げており、DISCはそれを具現化したものとなる。同社は韓国を中心としたアジア市場での成長が目覚ましく、2018年3月期の連結売上高1411億円の約6割を海外市場が占める。石本雅敏・社長は「ブランドの顔となるグローバル戦略商品の開発と、トップ選手のパフォーマンスを最大限に発揮する製品の開発が重要な役割となった」と話す。これまで大阪市の本社オフィスで行っていた研究開発機能を強化するとともに、外注していた実験と試験を内製化することを決めた。特許などの知的財産を活用した戦略も本格化する。

 アパレルの研究開発拠点に続き、今年10月には韓国・釜山にシューズ研究開発拠点「DISC プサン」を開設する。モノ作りを支える2拠点を両輪とし、グローバルな競争に挑む。