ニュース

「ロエベ」が認めた日本人作家の個展が開催中 独特の深いブルーのガラス作品

 「ロエベ(LOEWE)」が2017年に開催した「第1回クラフトプライズ(LOEWE FOUNDATION CRAFT PRIZE 2017)」で審査員特別賞を受賞した神代良明の個展が、6月30日まで東京・神宮前のギャラリーDIEGOで開催中だ。

 「フラジャイル ブルー(Fragile Blue)」と題した同展では、「クラフトプライズ」受賞作品同様の深いブルーのガラスシリーズが並ぶ。この独特の光沢感がある深いブルーの作品は、ガラス粉末と酸化銅の粉末を混ぜ合わせ、焼成工程で溶けたガラスと過熱した銅が化学反応することで生まれるという。

 しかし、この作品群はブルーを表現するために制作されたものではなく、ガラスと酸化銅を加熱したときに膨らむ性質を生かしたものだという。「色が大事だったわけではなく、膨らませて凹ますことが重要だった。以前は石灰を加えて膨らましていたが、酸化銅がより膨らむと考え今の作品に至った。もともと構造に興味があった。例えば、植物や果実が時を経てしぼんでいくように、モノが朽ち残るときに見えるものが、本来持っているモノの骨格なのではないか、と考えている。そういった自然の力学をとらえて表現したい」と神代良明は語る。加える酸化銅の量は「過剰――ここまで酸化銅を加えることは通常ないと思う」。

 このシリーズの作品の多くはコロンとしたおわん型だが、「この形を作ろうと考えたわけではなく、実験的に作っていく過程で最も合理的な形を探す中で生まれた」そうだ。作品は2万円から。

 神代は「第2回クラフトプライズ」での1次審査員も担当した。「環境問題を表現した作品が多いと感じた。また、『ロエベ』との仕事は新鮮なことばかりだったが、特にそのスピード感に驚いた。ファッションは本当にスピードが速いと実感した」。

 神代は、1968年千葉県生まれ。東京理科大学大学院理工学研究科建築計画専攻修了。設計事務所に約6年勤めるも「合っていないと感じて辞めた。そうして、訪れた沖縄で吹きガラスに魅せられ、ガラスに興味を持った」という。その後、東京ガラス工芸研究所研究科、金沢卯辰工芸工房を修了。現在、岐阜県高山市を拠点に活動している。

■神代良明「フラジャイル ブルー」
日程:6月1~30日(月・火・水曜日休廊)
時間:13:00~19:00
場所:DIEGO
住所:東京都渋谷区神宮前4-17-8オリエンタル原宿205