ファッション

4年間で売上高が3倍に ヴァレンティノの成長戦略

 ヴァレンティノ(VALENTINO)の1〜6月期決算は、増収増益だった。通期の売上高は10億ユーロ(約1360億円)を超える勢いを見せており、ファッション界の次期“金のなる木”と目される。売上高は2011年上半期の1億5200万ユーロ(約206億7200万円)から上昇し続け、3倍以上に成長した。「2〜3年前に立てた5カ年計画の目標が、今年にも達成できる勢いだ」とステファノ・サッシ最高経営責任者(CEO)。

 まず、アクセサリー部門の売上高前年比が155%、プレタポルテが同140%と全カテゴリが成長した。「ファッション界のリーダーとして確固たる地位を築いている」とサッシCEOは語り、クリエイティブ・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリを高く評価した。

 昨年は香港とニューヨークに、今年はローマとロイヤルハワイアンセンターにそれぞれ出店し、この2年間で40店増やしたが、既存店も同122%と好調だった。既存店の売上高は5年連続で120%成長をキープしているという。卸も好調で「ブランドイメージを損なわぬよう、注意深く小売店を選別した取り組みが成功した」。さらに、韓国とUAEでのビジネスを直営に切り替えたことに加え、増収した売上高の10%は、為替が関係しているという。
 
valentino-74 12年にカタールの投資会社メイフーラ・フォー・インベストメンツが同社を買収し、経営権を握った。決算報告は年1回行ってきたが、今回初めて半期で発表した。「成果を目に見える形で表したかった。次のステップへの分岐点として」とサッシCEO。IPO(株式公開)やファッションブランドの新たな買収などの発言は控えつつ、新規資金注入は不要とし、「メイフーラはラグジュアリー分野での存在感を高めることに関心を持っている」と述べた。また、ミッソーニ買収の噂を否定した。

 欧州は現地消費者の増加に伴い、市場成長率が最も高く、日本、ブラジル、米国、アジアも成長が著しいという。上半期の売上高が同130%だった中国に好感触を得て、ブランドの強みを生かし、店頭での限定商品に注力するという。小売事業への2013年からの投資額は、合計2億5000万〜3億ユーロ(約340億〜408億円)にのぼる。「メイフーラの資本注入前は、小売事業が一番のネックだったが、本来ブランドの柱となるべき事業だ。我々はブランドに対して強いこだわりを持っているが、ショップこそ、ブランドを表すメッセージ性の高いツール」と説く。同社最大の市場である欧州は売上高全体の40%を占め、売上高は同122%。続いて、日本含むアジアが35〜37%、米国が23%を占める。

本文中の円換算レート1ユーロ=136円

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