アシックスは9日、株主価値の向上を図るため2000万株(自己株を除く発行済株式総数の2.82%)・700億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は9月10日から2027年3月31日。9日にオンライン記者会見を開いた廣田康人会長CEOは「足元の株価水準を勘案し、機動的に手を打った」と説明した。目下の業績好調にもかかわらず、8月後半から続く株価下落を受け、市場の懸念を払拭する狙いがある。
同社の株価は8月14日の5281円をピークに下がり続け、9月9日13時時点で4000円に落ち込む。8月14日に2026年12月期の業績予想を上方修正し、売上高が初めて1兆円を突破する見通しだと発表していた。それでも下落したのは、好材料の出尽く感や、海外の大手スポーツメーカーや専門店の株価急落に影響されたものと見られている。廣田会長CEOは「株価はマーケットが決めるものという姿勢だったが、さすがにアシックスの実力とかけ離れている」とし、業績予想の達成への自信を込めたメッセージを送るため自社株買いを決断した。
自社株買い(自己株式取得)とは、企業が過去に発行した自社の株式を、市場や株主からお金を払って買い戻すこと。市場に流通する全体の株式数が減るため、理論上は一株当たりの株価は上がる。自社の株価が実力以上に下落した際に、企業側が今後の業績に自信があるとメッセージを送る意味合いを持つ。