ファッション

欧州最大の素材見本市「ミラノ・ウニカ」、出展者数は737社に拡大 市場は逆風続く

イタリアの国際的なテキスタイル・服飾資材見本市「ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA)」は7日、フィエラ・ミラノ・ローで43回展を開幕した。会期は9日まで。イタリア企業を中心に737社が、2027-28年秋冬向けコレクションを披露する。

「ミラノ・ウニカ」にはイタリア企業460社のほか、イタリア以外の欧州企業144社が出展。イタリア以外の欧州企業数は前年同期比15.2%増となり、ファッション素材の見本市としての存在感を増している。日本も、特別展示エリアとして、JFWとJETROによる日本企業45社を集積した「ジャパン・オブザーバトリー(The Japan Observatory)」を設置しており、欧州市場への日本のテキスタイルの売り込みを強化している。

初日には「From Roots to the Future(ルーツから未来へ)」をテーマに、パネルディスカッションなどを実施。開催に先立ち挨拶に立った企業・メイドインイタリー省のバレンティーノ・バレンティーニ副大臣は、「製品中心の経済からプロセス中心の経済へ移行する中、伝統とイノベーションの融合が競争力の鍵になる」と述べ、企業支援を続ける姿勢を示した。

イタリア全土で広がる「若き起業家たちによる伝統の復活」

パネルディスカッションではサプライチェーンやAIの活用、人材育成、サステナビリティー、産業政策などをテーマに議論。ミラノ・ウニカのシモーネ・カンクリーニ会長は、「イノベーションとは研究開発だけでなく、イタリアのものづくりの継承、人材育成、企業と行政の連携、そしてサステナビリティーを競争力へ転換することでもある」と語った。また、イタリアの有力経済紙「Il Sole 24 Ore(イル・ソーレ・ヴェンティクアットロ・オーレ)」記者で、「The Big Loom(大きな織機―イタリア繊維産業の物語と秘密=Il grande telaio)」(2024)の著者でもあるキアラ・ベゲッリ氏は「2年かけてイタリア中の繊維産地を巡り確信したのは、物語こそが最大のイノベーション資源だということ。全土で数多くの若い起業家たちが過去の土地の記憶や繊維産業の歴史を掘り起こし、体験と結びつけることで新たな価値を生んでいる」と指摘した。

市場の厳しさも浮き彫りに

一方で、市場環境は依然として厳しい。イタリア・繊維ファッション産業連盟(Confindustria Moda)の調査によると、2026年1〜3月の繊維生産は前年同期比1.3%減、輸出額は7億2900万ユーロで同3.4%減となった。製品別ではシルク織物(7.5%増)、綿織物(2.2%増)、毛織物(1.2%増)が伸長した一方、ニットは13.2%減と苦戦した。輸出先ではフランス、中国、ポーランド向けが伸びる一方、米国やチュニジア、スペイン、ドイツ向けは減少した。

イタリア政府の対外貿易振興機関ITAのマッテオ・ゾッパス会長は、「世界需要は8%落ち込んでいるが、イタリアは品質やイノベーション、創造性によって世界市場での地位を維持している」とコメント。今回は海外バイヤー232人と海外メディア15人を招き、商談や販促プログラムを実施する。

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