リトルリーグ傘下の「ピリングス(PILLINGS)」が好調だ。国内での有力店に加え、海外でも取り扱い店舗数が急増しており、2026-27年秋冬シーズンの受注額は前年比150%増を見込む。
欧米の有力セレクトショップで取り扱いがスタート
成長を牽引したのが、今シーズン初めてパリで開催した単独展示会だ。これにより海外での認知が拡大。既存の「ドーバー ストリート マーケット ロンドン(DOVER STREET MARKET LONDON)」やドイツの「アンドレアス ムルクディス(ANDREAS MURKUDIS)」に加え、今季からはイタリアの「ディエチ コルソ コモ(10 CORSO COMO)」や「アントニオーリ(ANTONIOLI)」「ドーバー ストリート マーケット ニューヨーク(DOVER STREET MARKET NEW YORK)」などの有力店での取り扱いがスタートする。
国内では、新たに「バーニーズ ニューヨーク」や銀座三越などでも取り扱いが始まる。
実力派「ピリングス」、ハンドニットが強み
「ピリングス」を手掛ける村上亮太デザイナーは、「リトゥンアフターワーズ(WRITTENAFTERWARDS)」のアシスタントを経て、14年に母親と共に自身の名を冠した「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」をスタートした。20年には、協業する日本の手編み職人の存在を伝えるため、毛玉を意味する“pilling”に複数形の"s"を付けた現在の「ピリングス」に改名。22年には、「TOKYO FASHION AWARD 2023」を受賞したほか、25年度「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ」のセミファイナリスト20組にも選出された。ハンドニットを軸に据え、人の手が生み出す不均一な温もりや歪みを、現代的なシルエットへと昇華させるニット表現が特徴だ。その才は、「ロンハーマン(RON HERMAN)」の名物バイヤーである根岸由香里ロンハーマン リトルリーグカンパニー執行役員の目に止まり、23年にはリトルリーグの傘下に加わった。
村上デザイナーは好調の背景について、「リトルリーグに入り、PRやMD、セールスまで、きちんと役割分担した上で安定感のあるチームが作れていることが大きい。これまでは全てを一人でこなしていた分、一か八かで作っていたところがあったが、チームに上手くコントロールしてもらい、それが商品のクオリティー向上にもつながっているのだと思う」と話す。
国内では“縮絨”シリーズが定着
2026-27年秋冬シーズンのテーマは、「landscapes(ランドスケープス)」。日常的なセーターを裾に向かって極端に膨らませ、ベルシルエットに変容させたニットドレスや、フロッキー加工で埃を被った絵画のような表情を与えたフローラル柄のセットアップなどを発表。現実と夢の狭間を思わせるファンタジックな世界観を描いた。「白か黒か、明確さが求められる時代の中で、曖昧なグレーゾーンを楽しむ提案をしたかった」と村上デザイナー。
国内では、縮絨加工でアシンメトリーなシルエットを生み出すシリーズがシグネチャーとして定着しつつあるという。ブランド初期は、特に学生の間で認知があったが、現在はファッション感度の高い40〜50代にも確実に顧客層を広げており、都内だけでなく地方のセレクトショップにも販路を拡大している。一方海外ではコレクションピースを含めた「強いピースに手応えがあった」という。
次シーズンは、東京ファッション・ウイークでランウエイショー、パリ・ファッション・ウイークで展示会を開催する計画だ。