ZOZOとLINEヤフー、堂本剛による共同プロジェクト「堂本剛プロデュース」の第3弾として、ネットフリックス(Netflix)シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」とのコラボアイテム全23型が発売された。同コラボアイテムは、「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」限定で、11月27日12:00~12月24日11:59の期間、受注販売を行う。
今回のコラボでは、同作の熱狂的なファンである堂本の「ストレンジャー・シングス」への“いきすぎた愛”をテーマにアイテムを製作。作中の名シーンやキャラクターをモチーフにデザインし、特別感と日常使いを兼ね備えたアイテムをラインアップ。アウターやTシャツ、セットアップといった定番のアイテムから、湯飲みや風呂敷など日本らしいアイテムまで幅広く展開する。
今回、プロデュースを手掛けた堂本に、「ストレンジャー・シングス」愛からコラボアイテムに込めた想い、そして来年の展望まで語ってもらった。
「ストレンジャー・シングス」との出会い
——まず堂本さんが「ストレンジャー・シングス」と出会ったきっかけから教えてください。
堂本剛(以下、堂本):見始めたのは、音楽ブラザーから「剛くんが絶対に好きそうな作品だから見た方がいいよ」っておすすめされたのがきっかけです。見始めた時は、配信されてから結構時間が経っていたので、周りの人も「いまさらハマってんの?」っていうタイミングでしたけど(笑)。
——そこからハマって、もう何度も見返しているとお聞きしました。そこまで堂本さんを引きつける魅力はどこにありますか?
堂本:ストーリーが面白いっていうのはもちろんですけど、僕の世代にはドンピシャのオマージュが結構ありました。ファンクミュージックが好きなので、それとも親和性があったり。ファッションや照明、美術の配色のセンスも良くて、クリエイター目線で見ても楽しめる要素が盛りだくさんで、すごく魅力的な作品ですよね。
あと、主役が1人ではないっていう作品性も自分の性格に合っていました。僕が長年手掛けてきた「エンドリケリー(.ENDRECHERI.)」の音楽ライブでも、アンコールの最後でバンドメンバーと全員でセッションをしているんですが、その時はお客さんも含めて、みんなが主役であるような空間作りをずっとやってきたんです。それとも通じるなって思ったりもしました。
「ストシン」も最初は1人に注目して見ていたけど、だんだんと違う人の視点にもなって、1回見ただけでは気づけてなかったことが2回目で気づけたり。そういう探求心がわくところも、この作品の魅力です。
——ちなみに何回ほど見たんですか?
堂本:通しで見たのは3回ですね。あとは、「あのシーンもう1回見たいな」と、そのシーンだけ見たりすることも結構あります。
——何度も見ている堂本さんですが、お気に入りのシーンは?
堂本:いっぱいあるので、一つを選ぶのが難しいですね。王道ですけど、やっぱりシーズン3のラストのホッパーの手紙をエルが読むシーンですかね。ホッパーの手紙の中で、痛みっていうものをネガティブにだけ捉えるのではなくて、「痛みはいいものである」っていうことを言っていて、日本人的にもグッときました。(監督・脚本を務めるショーランナーの)ダファー兄弟が、「この作品は日本のカルチャーにも大きな影響を受けて作った作品」と言う通り、親子や友達との関係性の儚(はかな)さや繊細さを描いていて、他の海外作品と比べても、日本人が共感するポイントが多いと思います。
——これも難しいと思いますが、好きなキャラクターは?
堂本:ファンキーやなと思ってるのはアーガイルですね。ファッションやヘアスタイル、乗っている車とかも含めていいなって思います。マックスもすごく優しい人だなって感じます。自分が危険に立ち向かう前にみんなに手紙を書いたり、最初は「仲間じゃない」って言われても、くじけずに向き合ったり。忍耐強さもあって、実は日本人の感覚に近いかも。
あと、悲しみも与えたけれども、同時にたくさんの人に勇気を与えたっていうところでボブ。あの人は本当に優しい人でした。他にも、やっぱりデモゴルゴン、好きですね。だからもう挙げ出すと、きりがないっていう(笑)。さっき言ったみたいにみんなが主役なんで。
——もし堂本さんが「ストレンジャー・シングス」に出るとしたら、どの役をやりたいですか?
堂本:考えたことないですけど、一瞬デモドッグの顔だけって頭に浮かんだんですけど(笑)。あとはエディのギターのケーブルをさばく役とか。
——ちょっとした役?
堂本:ちょい役がいいですね。セリフは一切ないけど、全ての人と関わりがあるんだろうなってぐらい、めちゃくちゃ出てきて、会話はしないけど、すごくうなずいてたりするだけの人。あと、映画で原作者がたまにちょっと映るみたいなやつがあるじゃないですか。そういうシーンを作ってもらって、ダファー兄弟と一緒にお寿司を食べている役とかがいいですね(笑)。
コラボの感想
——今回、そんな大好きな「ストレンジャー・シングス」とのコラボが実現しました。率直な感想を教えてください。
堂本:ZOZOさんと手掛けてきた「堂本プロデュース」の第2弾のルック撮影の最終日、ZOZOチームに「ストシン」が好きな人たちが多かったので、「近くで『ストシン』のグッズが売っているから行きますか」っていう流れになって。その時は一緒に買い物をして、「今回もありがとうございました」って言って別れたんですが、まさか第3弾が「ストシン」とのコラボになるとは思ってもみなかったですね。だから、今回のコラボのお話をいただいて、もちろんすごくうれしかったです。ZOZOチームと服を作るのは毎回ワクワクするし、実際に作っていく過程もほんとに楽しかったです。
——今回、「いきすぎた愛」がキーワードになっていますが、こだわったポイントを教えてください。
堂本:オファーの時に、「いきすぎた愛」というテーマをいただいたので、最初は「作品への大好きな想いをぶつければいいんだ」ってストレートに考えていたんですが、一方で、クリエイターとしては、客観的に作った方がいいかな、みたいな考えもあって。ファン目線とクリエイター目線、2つの世界を並行して走らせ、考えながら作りました。
「ストシン」のファンはもちろんですけど、「ストシン」を見たことがない人にも喜んでもらいたいので。だから、「いきすぎた愛」っていうテーマであるがゆえに「いきすぎない方がいい」という(笑)。表のテーマは「いきすぎた愛」なんですが、実は僕の裏テーマとしては「いきすぎない愛」っていうのも意識しました。
それでも、僕もかなりですけど、ZOZOチームの「ストシン」愛がすごくて。このデニムなんかも、表は表の世界を、裏は裏側の世界を表現するとか、そういうファンが喜ぶようなこだわりが全部のアイテムに詰まっています。
——お気に入りのアイテムは?
堂本:正直全部ですね(笑)。でも、思い出深いってなるとスカジャンですね。この前のファンイベントで(ダファー兄弟の)マットがこのスカジャンを着てくれて。そんなに気に入ってくれたんだっていうのがすごくうれしかったです。あと、別の取材の時に、僕がこのスカジャンを着てトイレに行ったら、ルーカス(ケイレブ・マクラフリン)とダスティン(ゲイテン・マタラッツォ)と遭遇して。ダスティンが「そのスカジャンめっちゃいいね」って言ってくれて。海外の「ストシン」ファンとも、会話のきっかけにもなるファッションアイテムですね。
日本らしいアイテムを展開
——今回のコラボアイテムは、スカジャンもそうですが、あえて日本らしさみたいなのを取り入れたとおっしゃっていましたが、その理由は?
堂本:大ヒット作品で、10年っていう長い歴史もあって、これまでにも多くのコラボ商品が出てきた中で、日本っぽさを打ち出した商品はあまりないなと思って。あと、ダファー兄弟が日本のカルチャーが好きっていうのもあって、日本っぽさを出したアイテムの方がいいなと思って。どれだけ実現するか分からないけど、とにかく言うのはタダなんで、いろんなアイデアを出して。最初はデコトラとかもできたらいいよねって話もしていました。
スカジャンもそうですけど、結んだらデモゴルゴンになる風呂敷とか、漢字でデモドッグを表現した湯飲みとか、他のコラボでは出ないだろうなっていうところは意識しましたね。
——スカジャンの漢字「須友連邪真群守(ストレンジャー・シングス)」はどう考えられたんですか。
堂本:スカジャンを作る時に、漢字の当て字がいいよね、みたいな話をしていて。海外の人と音楽の仕事をしていて、その人の名前を漢字の当て字にして教えたりすると喜ばれるんですよね。あと、「ストレンジャー・シングス」ってちょっとヤンキーの感じもあるし、作品の雰囲気にも合うなと思って。それで実際の漢字はZOZOチームとNetflixさんが考えてくれました。
——当て字でも全部意味があるのがいいですね。※(須)必ず、(友)友達と、(連)協力して、(邪)邪悪と戦う、(真)真実の、(群)仲間と一緒に、(守)守る、と、それぞれ作中とリンクした意味が込められている。
堂本:いいですよね。そういうのも、みんなで楽しみながら考えて。チームワークもやばいくらいよかったですね。
——あと、堂本さんがエルのポーズを取っているTシャツもいいですよね。
堂本:これは、デモゴルゴンとの夢の共演ができて、かつ鼻血も流せたっていう記念のTシャツですね。実は、最初の企画提出では、一度ダメになったんですよ。デモゴルゴンとの共演とか、このポーズもやっぱりエルのポーズなので、エル以外の人がやることの難しさは分かっていました。それから数日後に、「この案にOKいただきました」って、話が急転して。「すごい奇跡が起きた」ってみんなで喜びましたね。文字も「STRANGER FUNK」にさせてもらって。「ストシン」好きの友達からも「すごいね」ってめっちゃ連絡がきます。
——「ABEMA」のドキュメンタリーを見ていたら、サングラスもありましたが、今回の販売アイテムにはなかったですね。
堂本:あれね……一番熱かったんですけどね(笑)。いや、それこそあのサングラスをマットに送ったら、絶対に気に入ってくれると思うんですけどね。
——今回のコラボに限らず、コラボする上で「ここだけは譲れない」部分ってありますか?
堂本:「自分がどうしたいか」はもちろんあるけど、それを「100パーセント出してください」ってことであれば100パーセント出すし、「70パーセントでいいです」って言われたら70%くらいで考えます。コラボに関しては、求められてやることが多いので、依頼者がどうしたいかは大事にしています。それを聞いて、「そうしたいんだったら、こうした方がいいですよ」って本音で伝えます。それを伝えることで結果が出せたらいいじゃないですか。だから、結果を出すために必要なことを僕なりに考えてアプローチすることを心掛けていますね。
楽曲提供をする時も同じで。先方のアーティストの方がどういう曲を求めているのか、それに対して、僕なりに考えて作品をお渡しする。「自分はこの曲しか書けないので、これを歌ってください」っていうやり方はないから。そういうところはすごく意識しています。
——ファンの方には今回のコレクションをどう楽しんでほしいですか?
堂本:時代が進むにつれて、例えば、ファッション、ヘアメイク、ミュージックって分離してきちゃったなって感じる時があって。「ストシン」を見ていると舞台となった1980年代は、まだそれが一体化してたなって感じるし。僕もその時代を生きてきたから、分離しているのが、ちょっと寂しいなと思っている部分もありまして。この作品をきっかけに、ファッション、ヘアメイク、ミュージック、フードまで楽しんでほしいし、ぜひ今回のコレクションを着て、またシーズン1からシーズン5の最終話まで見てほしいですね。
でも、僕もどのタイミングでこのシーズン5の最終話を見るかは悩んでいます。配信されてもすぐは見られないかもですね(笑)。
※シーズン5は3回に分けて、11月27日からVol.1(1〜4話)が配信中で、12月26日からVol.2(5〜7話)が、2026年1月1日からフィナーレ(最終話)が順次配信される。
——見終わるのが寂しい?
堂本:見るとやっぱ終わっちゃうんでね。最終話を見るタイミングは難しいですけど、意を決して見るしかないですね。でも、久しぶりにこんなに作品にハマったし、自分の年だと忘れがちな幼少期のワクワク感を与えてくれる作品なので、もしこのインタビューを読んだ人で、まだ見ていない人がいたら、いったん騙されたと思って見てほしいなって思います。
映像作品をプロデュースするなら?
——もし、堂本さんが映像作品を作るなら、どんな作品を作ってみたいですか?
堂本:音楽はもちろん、ファッションやアートといったクリエイティブなプロジェクトを立ち上げたいっていうのが、「エンドリケリー」を始めたきっかけでもあるんですけどね。うーん、なんか「自分らしく生きる」ということが、数十年前は結構できていた気がするんですけど、だんだんとそうできなくなってきている人が多くなった気がしていて。でも、最近はもう1回、自分らしく生きるっていうことを主張できる時代に変わってきている気もしていて。
主張があればあるほど、個性があればあるほど、輝かしかった時代から、個性を消さなきゃいけない時代に変わって、もう1度個性を取り戻そうみたいになっている感じがしているってことなんですけど。
「エンドリケリー」を始めようと思った時も、個性は決して悪いものではないのになっていうテーマを掲げていて。その個性っていうものを前面に出して、作品を作っていく——それを時代が受け入れてくれれば、個性があるがゆえに苦しんでいる人たちが、少し楽に生きれたりするのかなって思います。
だからもし自分で作るなら、「自分らしく生きること」「個性を持つこと」を題材にした作品を作るのかなとか思ったりします。
——監督のオファーは今までなかったですか?
堂本:ないですね。「やってみたら?」って何人かの映画監督には言われたんですが、大変そうやし、「いやいいですよ」って言ったんですが。本当にそういうオファーが来たら、1回はやらせていただいてもいいのかなって思ってます(笑)。
2026年にやってみたいこと
——年末なので、2025年で一番思い出に残っていることも教えていただけますか。
堂本:やっぱりこの「ストシン」とのコラボでしょうね。一番っていうのは難しいですけど、思い出としてはやっぱり大きくなっちゃいますよね。
——「ABEMA」のドキュメンタリーを見ると、サプライズすぎて、最初はすごく「ドッキリ」を疑っていましたね。
堂本:もうあの番組自体ドッキリを疑う連続ですよ(笑)。ライブとか、いろんな楽しい時間をいっぱい過ごしましたけど、「ストシン」とのコラボは自分がファンなんでね。ファンとして関わるって仕事ってなかなかないので思い出深いですね。
——では、2025年にご自身で買って一番お気に入りのファッションアイテムは?
堂本:結構いっぱい買ったんです。僕、暑がりなんで冬でもあまり厚着ができないんですよ。汗かいちゃうから。それで風邪ひいたりもして(笑)。だから、TシャツとかロンTにダウンベストとかファーのベストを着るのが楽なんで、よくそのスタイリングをしますね。それで今年買ったのがレザーの少しいかつい膝下丈ぐらいベストだったり、あとくせ毛の羊の毛を使用したアウターを買って。くりっくりのめっちゃかわいい毛のアウターで、それが今年買ったもので結構気に入ってますね。
——最後に、2026年挑戦したいことは?
堂本:あまり深くは考えてないんですけど、環境が変わって、時間の使い方も以前とは変わってきて、最近ようやくリズムが整ってきたんです。
そんな中で、新たにものづくりをしていく上で、繊細にものづくりをしていけたらいいかなっていうのはざっくりとですが、思ってます。今まではハートで押し切ってものを作ることも多かったので、冷静に、緻密に、繊細にものを作ることもやってみるのが、面白そうかなっていう。
簡単に言うと音楽を作る上で、アーティストとして作るっていうスタイルだったのを、作家として音楽作品を作る、みたいな感じで。そういう風に音楽に関われたら新境地を見られるかもなっていうのはちょっと思っています。
——発表できそうなことは何かしら動いてたりするんですか。
堂本:全然。僕は本当にそういう用意周到型でもないから、計画を立ててっていう感じでもなくて。誰かと出会って、「じゃあ一緒になんかやりましょうよ」っていって形になったり、思いついた時に作ったりするので。
来年は「自分がクリエイターとして音楽を作る」って、思考を変えてやったら、どういう音楽を自分は作るんだろうか、それが実験的で面白いかなと思っています。
あと、さっきも言ったんですけど、ヘアメイク、ファッション、ミュージックをはじめ、いろんなジャンルが分離されていく傾向にあるなと感じていて。全てがやっぱり連動しているようなクリエイティブなことをやっていきたいなと思っています。
PHOTOS:YUKI KAWASHIMA
「STRANGER THINGS × .ENDRECHERI. in ZOZOTOWN」
◾️「STRANGER THINGS × .ENDRECHERI. in ZOZOTOWN」
受注販売期間:25年11月27日12:00~12月24日11:59
※ 販売期間終了後に再度販売する可能性有り
お届け時期:26年4月下旬〜6月上旬
https://zozo.jp/event/strangerthings-endrecheri/






