
10月4日、早稲田大学戸山キャンパスで早稲田繊維研究会の1年生によるファッションショーが開催された。テーマに掲げた「辿る」は、1年生で決めたものだという。
ランウエイの中心には、透け感がある柔らかな布で作られた囲いを設置。その中をモデルが歩く演出だ。モデルが歩くと揺れ動く布から、人が歩んだ軌跡を表現したかったという。「辿る」のテーマのもと、“過去“”幼少期“”青年期“”具象“”抽象“”未来“の6構成に分け、全25ルックを発表。今回のショーを取り仕切った、1年生代表の川村日向日葵さんに話を聞いた。「新入生歓迎会を終え、各役職を決めたのち、それぞれがコンセプトを出し合い辿り着いたのがこのテーマだった。このテーマが決まったとき、私自身も自分にとってのファッションの原点を振り返ってみた。振り返るという行為、過去から未来へつながっていくことをこのショーで表現したかった」。
ショーを終えた感想を尋ねると「あえてあまり制限を設けず、それぞれが自由に服づくりに励んだ。自分の幼少期を回顧した人もいたり、未来をイメージした人もいて、使っている素材もさまざま。スタイリングやヘアメイクも自身でやる人もいれば、友だちに依頼する人もいたりなど、個人のやり方に委ねた。それでも最終的に1つのショーとしてまとまりが生まれたのはうれしかった。今後も早稲田繊維研究会が活動の軸にしている『ファッション業界を取り巻く現状に対して、ファッションを媒体として批評を行う』ということを大切に、積極的に活動していきたい」と語る。
今回の1年生ショーを踏まえ、12月7日に早稲田大学学園祭で全体ショーの実施を予定している。
PHOTO:RYOHEI HASHIMOTO