ホーユーが展開するヘアスタイリングブランド「ラブカ(LUVCA)」は8月末、ブランドコンセプトや処方、パッケージなどを全面的にリニューアルした。ロフトやプラザを中心に全国のバラエティーショップやアマゾンで扱う。
ホーユーは1905年に設立された頭皮化粧品企業で、パブリック市場品とサロン専売品の両軸で事業を展開している。「ラブカ」は2017年に誕生し、サロン専売品を開発する企業が手がけるという背景を強みにパブリック市場に参入した。
その強みを追い風に、最盛期は全国1000店以上で扱われていた。しかし、有名サロンとの共同開発品の台頭やサロン専売品の一般市場流入などで、昨今は“サロン品質”が特別な強みではなくなっている。差別化や昨今のトレンドとの乖離という課題に直面し、今回のリニューアルに至った。
本当の“サロン品質”とは
同社は改めて“サロン品質”の意味を追求。特にスタイリング剤では「製品の品質がサロン級」であることに加え、「誰が使ってもサロン帰りの仕上がりを再現できる」という操作性も不可欠と考え、開発を進めた。
新処方ではスキンケア由来の保湿成分・ヒアルロン酸Naを配合し、髪の内側から潤いを補給。油分に頼らず、軽やかな手触りと上品な艶を実現し、のびの良さやベタつきにくさにも配慮した。
パッケージは東京のクリエイティブスタジオYARがアートディレクションを担当。サロン専売品のような高級感とデザイン性を兼ね備えた仕上がりを志向した。ターゲット像は「トレンドや価値観が多様化する中で自分にフォーカスし、自然体で生きる女性」。ブランドタグライン「Your Style, your Essence」を掲げ、誰もが満足に個性を表現できるブランドとして訴求する。
製品ラインアップは、オイルベースの“ヘルシースムースオイル”(80mL、2350円)、クリームベースの“ニュアンスオイリークリーム”(60g、2050円)、バームベース“クラフトミルクバーム”(60g、2050円)の3種。レイヤースタイルやパーマなどトレンドに応える3タイプで、ユニセックスで幅広い年齢層や髪質に対応する。香りには爽やかながら個性を感じる “スパイシーなシトラス”を採用した。
発売から1カ月が経過し、ブランドの世界観やクリエイティブに共感を示す声が多く寄せられているという。中でも“クラフトミルクバーム”が好調で、「ナチュラルな質感のパーマを再現できる」と支持を得ている。今後はバラエティーショップのコスメ売り場だけでなく、多様な施設でのポップアップ展開を通じて、タッチポイントの拡大を図る。