ファッション

デニムの聖地、岡山・児島で“異端児”と呼ばれるデニムスーツブランド「インブルー」 東京で初の消費者向け受注会

 岡山県倉敷市児島を拠点に生地の企画と販売を行うナッシュが、デニムスーツブランド「インブルー(INBLUE)」の東京初の消費者向け受注会を行った。ブランドは2007年にスタートし、12年に倉敷・美観地区の直営店をオープン。百貨店での販売も行っていたが、現在は同店のみで販売しており、関東からの観光客や出張者など県外の顧客が増え、今回の受注会を企画したという。

 「インブルー」のスーツは、生地から縫製、加工まで全て倉敷市内にある工場で作られている。特徴は、デニムとは思えない柔らかい生地だ。通常のジーンズの約5分の1の細い糸を使い、薄くて軽く、色落ちしにくいデニムを開発した。光本琢磨ナッシュ社長は、「10年前に開発したが、色落ちを楽しむカジュアルジーンズでは受け入れられず、付き合いのあった工場や取引先にも認めてもらえず、海外のデザイナーブランドにも『色落ちしないデニムなんて』と言われるほどで、当時はとにかく色落ちが主流だった。スーツでもやはり色落ちしてしまうが、それがデニムの特徴であり、味である。デニムとはいえ、ジーンズの幡屋や縫製工場ではできない仕立てや縫製が実現できた。『デニムでスーツなんて』と、児島では他デニムメーカーに、“異端児”と言われている。今では、理解してくれる顧客の方もメーンターゲット層の団塊世代だけでなく、30代まで広がった。オーダー販売のため、一反二反の少ロットで生産しているが、在庫も出すことなく、一着ずつ作っている。われわれの強みは、デニムスーツを仕立ててくれる工場と接客力。百貨店のような男性販売員ではなく、20〜30代の女性が、お客さまと対話しながら接客する。丁寧にモノ作りし、丁寧に販売することが、信頼を高められること。県外に顧客を増やせているのもこういった面が評価いただけているのではないか」と話す。

 オリジナルスーツはデニムらしい藍色をベースに、無地のシンプルなスーツから、ストライプのデザインやチェック柄のプリントを施したデザインスーツまで幅広くそろう。パターンオーダーの価格帯は、スーツで10万円。受注会初日は20着ほどのオーダーを受けた。「年間の売上高は、1億円を目指したい。今後も百貨店などではなく、対面販売できる直営店出店を視野に入れる」。内覧会は2月6日まで。

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