
I-neがオーラルケア市場に本格的に参入する。美容家電領域から新家電ブランド「ビューラル(BEAURAL)」を立ち上げ、第1弾は口腔洗浄機“ウルトラファインバブルウォッシャー”(2色、各1万6500円)、別売りノズル“ウルトラファインバブルノズル”(2本入り、1540円)、本体とノズルのセット品は1万7600円。9月29日から、本体はオフラインのみの全国の家電量販店(一部店舗を除く)、別売りノズルは公式オンラインストアとECモール、全国の家電量販店、本体とノズルのセットは公式サイトとECモールで取り扱う。
歯は「第3のビューティ市場」へ
厚生労働省の調査によれば、歯科矯正初診患者数は過去3年間で3.6倍に増加。特に女性は4.8倍と顕著で、増加数は10代が最も多く、30〜40代が続く。同社はこの背景にはオーラルケア意識の高まりや歯の美容目的化があると分析。さらに政府が2025年の義務化を目指している「国民皆歯科検診」などが国内のオーラルケア意識向上の追い風となると推測し、口腔意識の拡大と市場拡大を見込んでオーラルケアに着目した。
そのような状況下で「歯ブラシだけでは不十分な歯間ケアの重要性や電動歯ブラシと口腔洗浄機の違いの認知が高まり、口腔洗浄機の需要が拡大する」と予測し、口腔洗浄機の開発に至った。
“ウルトラファインバブルウォッシャー”は、一般社団法人ファインバブル産業会の認証制度において、日本初のウルトラファインバブル搭載口腔洗浄機として認証を取得。ウルトラファインバブルの微細な泡で、歯磨きでは届かない部分を徹底洗浄する。水圧は3段階で調整可能、初心者から上級者まで使いやすい設計とした。完全防水(IPX7)仕様で本体の丸洗いが可能だ。
歯磨きブランドも登場
「まだ開拓の余地はある」
また、炭酸泡のエアゾール歯磨きブランド「バブロス(BUBLOS)」も立ち上げ、第1弾として9月1日に“炭酸泡ハミガキ”(2種、各80g、各1485円)を発売した。全国のロフトとロフトネットストアで取り扱っている。
“炭酸泡ハミガキ”は磨き残しへの不安感や矯正中のケアニーズに応える製品として開発。エアゾール式で高濃度のきめ細かい炭酸泡が歯間や歯周ポケットに届き、虫歯や口臭、歯周病までケアする。
歯磨き粉市場のシェアはすでに大手が独占しており新規参入は難しいとの見方もできるが、同社の大西洋平社長は「柔軟な発想とアイデア力で、まだ市場にない消費者の心を掴む製品開発をする。そこに勝ち筋があると考えている」と語る。
ヘアケア・美容家電の次は
“オーラルだけ”ではない
ヘアケアや美容家電領域に強みを持つ企業として成長してきた同社だが、現在は「第二創業期」として事業拡大するフェーズにあり、新領域への参入を加速している。これを推進するのが、2025年1月に社長直下で発足した「新規事業開発室」だ。
同室は、ヘアケア、美容機器に次ぐ第3の事業柱を創出するための新組織で、25年4月には柔軟剤ブランド「リウェア(REWEAR)」を発売。8月29日にはインナーケアブランド「コラテイン(COLLATEIN)」を発売するなど、今後も既存領域とは異なるアプローチで複数の新ブランド展開を準備中だ。