川久保玲とヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)の2人の女性デザイナーを同時に特集する展覧会、“ウエストウッド | カワクボ(Westwood | Kawakubo)”が12月7日〜2026年4月19日、豪メルボルンのヴィクトリア国立美術館で開催される。
同展は、共に刺激的なテイストを持ち、1981年にそれぞれパリとロンドンで画期的なモーメントを残した同年代の川久保とウエストウッドの作品を140点以上展示する。メンズウエアとテーラリング、歴史的な衣装、女性の身体というテーマで構成され、2人の挑発的な手法に焦点を当てていく。また、彼女らがデザインを通して政治や環境問題について発信してきた点にも着目する。
展示品は、ヴィクトリア国立美術館が所有するコレクションやロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、パリのガリエラ美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館から収集した。また、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」から寄贈された40点以上の最新作品も展示する。
両デザイナーの反骨精神と美学をフィーチャー
注目の展示品は、ウエストウッドが1970年代後半に手掛け、ロック・パンクバンドのセックス・ピストルズ(Sex Pistols)やシンガーソングライターのスージー・スー(Siouxsie Sioux)らにより人気を博したパンクなアンサンブルだ。また、ケイト・モス(Kate Moss)が1990年代初頭にランウエイで着用した「ヴィヴィアン・ウエストウッド アングロマニア( VIVIENNE WESTWOOD ANGLOMANIA)」のロマンチックなタータンチェックのドレスや、サラ・ジェシカ・パーカー(Sarah Jessica Parker)が映画「セックス・アンド・ザ・シティ」で着用したウェディングドレスのオリジナルなども展示する。
川久保の作品からは、リアーナ(Rihanna)が2017年の「メットガラ」で着用した「コム デ ギャルソン」の立体的に花びらをあしらったドレスや、同ブランド1997年春夏コレクション、“ボディーミーツドレス ドレスミーツボディー(body meets dress, dress meets body)”の構造的なギンガムチェックドレスなど、服と身体の関係性にアプローチしたドラマチックで抽象的なデザインを紹介する。