
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月30日号からの抜粋です)
横山:毎年恒例の繊維商社特集です。トランプ関税の導入が発表されて、グローバルサプライチェーンの産物であるアパレルは、大きな影響を受けようとしています。そんな危機に頼れるパートナーが繊維商社です。改めてどの商社がどこに拠点を持って、どんな強みがあるかをまとめました。
伊藤:想像以上にモノ作りの全般に関わっていて、アパレル業界を支えているのは繊維商社なのだと実感しました。記者歴数年で本特集初参戦の私には、まだこの世界のことが全然把握しきれていないと思います。「こういうモノを作りたい」というブランドのリクエストに対して素材選びから生産管理、コスト管理まで提案していて、「本当にすごい!」というのがシンプルな感想です。
前代未聞!編み地で表紙を制作!
横山:ところで今回の目玉は何と言っても表紙!イラストでも写真でもCGでもなく、編み地。しかもロゴまで全部。これができて満足です。
伊藤:いつから温めていたんですか?
横山:島精機の編み機はデジタル化がかなり進んでいて、ニット×デジタルで面白いことができると知ってはいたのですが、表紙会議の前日に急にアイデアが降りてきたんですよね。そしたら、トントン拍子に進み、ロゴまで含めて編み地で表現する案についても、米「WWD」の許可がもらえて。伊藤さんは今回の特集で、何が一番印象的でしたか?
伊藤:前年に引き続きの「子育てと仕事の両立」をテーマに実施した座談会です。男性の参加も重要と判断し、未婚・既婚問わずさまざまなメンバーに集まってもらいました。仕事と子育てに必要な時間のバランスは、常にクライアントに寄り添う商社パーソンにこそ深刻な課題だと感じました。座談会の間にもクライアントから「今どこ?」と連絡が来ている参加者もいて、本当に大変な仕事だと。出産後の女性の復帰が難しいことについては、女性として思うことがいろいろありました。また、モノを作る上では、デザインだけでなく、様々な知識や経営センスも重要なのだと理解しました。