世界最大の化粧品会社ロレアル(L’OREAL)創業者の孫娘で、28年間にわたり同社の取締役を務めたフランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズ(Francoise Bettenncourt Meyers)が任期満了により71歳で退任した。後任として、長男のジャン・ヴィクトール・マイヤーズ(Jean Victor Meyers)が取締役会の副会長に就任。また、同家の持株会社でありロレアル株式の34.7%を保有する筆頭株主であるテティス インベストメント(TETHYS INVESMENTS)も取締役会に加わった。テティスはアレクサンドル・ベネ(Alexndre Benais)最高経営責任者(CEO)が代表を務める。
4月29日(パリ現地時間)に開催されたロレアルの年次株主総会でジャン・ポール・アゴン(Jean Paul Agon)会長は、「当社のガバナンスの基本であり極めてユニークな財産は、創業一族であるベッテンコート・マイヤーズ家との強く永続的な結びつきにある」と話し、創業者とその娘夫妻、孫娘夫妻、さらにはひ孫の世代まで続く永続性の重要性を示唆。また、フランソワーズ・ベッテンコート・マイヤーズについて「目先の利益のための短期的な解決策に一貫して抵抗し、常に長期的なアプローチを支持し将来への基盤作りを可能にした」と長年の貢献に敬意を表した。
「フォーブス(Forbes)」誌によると、同氏は昨年女性初の資産1000億ドル(14兆2000億円)超えの富豪、“センチビリオネア”となった。2025年の推定純資産は895億ドル(12兆7090億円)で、米小売大手ウォルマート(WALMART)創業者の娘、アリス・ウォルトン(Alice Walton)に次いで“世界で2番目に裕福な女性”といわれる。