ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、片頭痛・頭痛ケア市場の伸長に伴うヘッドスパの可能性の話。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月20日号からの抜粋です)
PROFILE: 渡邉弘幸/ウカ代表取締役CEO

【賢者が選んだ注目ニュース】
片頭痛・頭痛ケア市場の拡大は、われわれウカも把握しているニュースだった。実は「ウカ」のヒットアイテム“スカルプ ブラシ ケンザン(以下、ケンザン)”が人気を集めている一端にも、片頭痛・頭痛ケアがあげられる。当初は美容家やモデルの方々の口コミの影響が大きくバズったが、一時期から「“ケンザン”でマッサージすると片頭痛や頭痛が和らぐ」という評価がX上で話題になったのだ。僕らは頭皮をすっきりとさせることを目的に作ったのだが、SNS上のポストを分析すると、どうやら片頭痛や頭痛ケアを目的にも使われているのではないかという仮説が浮かんだ。そこでサロンスタッフとともに片頭痛や頭痛の勉強を始め、首や肩の筋肉の構造を調べ、筋肉を緩和させることが有効だということを学んだのだった。
またある時、顎関節・口腔顔面痛の専門医である臼田頌医師から慶應義塾大学の口腔外科で顎関節症のケアのために“ケンザン”を使ったマッサージを推奨しているという連絡をいただいた。側頭筋や咬筋(そしゃく筋)のコリをマッサージして緩めることで、痛みが和らぐという。顎関節症をケアするための“ケンザン”を作りたいという臼田医師のオーダーを受け、既存のレギュラーとミディアムの中間の硬度の“ウカ リラクゼーション&スカルプブラシ 55”が生まれた。「痛みの概念には、物理的と心理的なものがある。セルフマッサージで筋肉のコリをほぐすことがそのケアとなるが、心理的に満たされることも大切。治療であっても、“マッサージされて気持ち良かった”という経験が脳をハッピーにさせ、感じていた痛みを楽にさせる」と臼田医師は話す。
昨年12月のサロンにおけるヘッドスパは連日予約で埋まり、売り上げはサロン史上最高額を記録。年末の忙しさや疲れから生じる片頭痛や頭痛をなんとかしたいというオーダーが耳に届いた。片頭痛・頭痛ケアとして、“ケンザン”やヘッドスパのニーズが高まっていることに納得と実感を持っている。
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