百貨店では常に高いレベルのホスピタリティーが求められる。顧客が百貨店に求める理想が高いからだ。中でも富裕層を相手にする外商部門では、長年そのノウハウが磨かれてきた。大手3社の担当者にサービスの極意を聞く。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月13日号からの抜粋です)
阪急阪神百貨店
古川哲司
阪急阪神百貨店 お得意様外商部 ゼネラルマネージャー
あらゆるリソースを注ぎ、
1人のお客さまに感動を届ける
阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)と阪神本店の2つの旗艦店を構える阪急阪神百貨店は、関西で圧倒的な存在感を放ち、外商を中心にした富裕層の支持も厚い。しかし「外商部門が本当に強くなったのは、売り場の環境と当社の体制が機能し始めたこの10年ほどの話」と古川哲司ゼネラルマネージャーは振り返る。伝統的にトラフィックに恵まれたターミナル百貨店のため、他社に比べて外商部門の人員も手薄で、今から考えるとホスピタリティーも不十分だった。
転換点は2つあったと、古川氏は指摘する。
1つは、2012年の阪急うめだ本店の建て替え開業。ラグジュアリーブランドや時計・宝飾品などの高額品から衣料品、飲食店、イベント空間まで店舗のコンテンツが格段に充実した。その後も改装が繰り返され、上顧客をゆっくりもてなすVIPルームがラグジュアリーブランドの店舗内にも増加した。競争力のアップで大阪南部など阪急沿線以外にも商圏が拡大した。
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